2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合とワンテーブルならびにラカラジャパンは2019年1月22日、『インバウンド×キャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業』について、事業を実施する市町村の第1弾を選定し、全国10の市町村で2月より複合モバイル決済端末機や静的QRコード(プリント型)の導入をはじめ、訪日外国人への情報発信などの事業を開始することを決定したと発表した。

事業者に複合モバイル決済端末機などを無償提供

『インバウンド×キャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業』では2020年を前に、年々増加する訪日外国人によるインバウンド消費を積極的に取り込むことで、地域活性化につなげたい首長連合に参加している全国各地の会員575団体を対象としているという。

加盟自治体内の小規模店舗から商店街、スーパー、飲食店、百貨店、商業施設、スキー場、観光農園、お祭り・イベントなどすべての事業者に対し、ラカラジャパンより、通常購入すると数万円する複合モバイル決済端末機もしくは静的QRコードを用いたキャッシュレス決済ツールも無償提供する。

特に静的QRコードは、Wi-Fi環境が整備されていない店舗においても、印刷された静的QRコードを店頭に設置するだけで簡単にキャッシュレス決済が可能となるため、小規模店舗を中心に普及が進んでいるという。

また、同事業に賛同したキャッシュレス関連事業者の協力により、「ラカラの複合モバイル決済端末、「静的QRコード決済ツール」といった決済サービスに対応予定である。(※実施希望の市町村を募集・選定し、モデル地域に選定された市町村には無償提供、これ以降の市町村へは有償での提供)

第1弾として選定した市町村は以下のとおり。

  • 山形市(山形県)
  • 郡山市(福島県)
  • 三条市(新潟県)
  • 弥彦村(新潟県)
  • 三島市(静岡県)
  • 伊豆市(静岡県)
  • 蒲郡市(愛知県)
  • 菰野町(三重県)
  • 泉佐野市(大阪府)
  • 大川市(福岡県)

地域活性化を推進する6つの強みとは

この事業はキャッシュレス端末などを導入することを訪日外国人の誘客の強み、地域活性化に貢献することを目指す。地域活性化推進首長連合はこの事業の強みとして以下を挙げている。

  1. モデル地域に選定された自治体に対して複合モバイル決済端末機の導入費・運用費不要、すぐに試せるサービス

通常、月額決済金額が15万円に満たない導入店舗は、複合モバイル決済端末機1台につき月額1500円のレンタル料金がかかる。

今回、首長連合に加盟する575団体の中でモデル地域に選定された自治体で店舗等を運営する事業者に対しては、無償で複合モバイル決済端末機および静的QRコード(プリント型)決済ツールを提供する。

  1. 売上の0.1%(中華系決済のみ)を地域に還元、地域活性化に貢献

実際にその地域で使用された中華系決済(Alipay、WeChat Payなど)の売上の0.1%を自治体または地域の企業や団体などへ還元する。利用額に応じて地域が潤う仕組みを提供。

  1. 数千万人のWeChatユーザーへの情報発信による各市町村への誘客支援

10億人以上のユーザーを抱えるメッセージングアプリ「Wechat」内の、ラカラの企業アカウントのフォロワー数千万人に対して各市町村の情報配信を実施し、誘客を支援する。

  1. 地域通貨「自治体Pay」の導入により、地域経済&コミュニティの活性化を目指す

地域通貨「自治体Pay」を発行することで、地域のお金を地域内で循環させ、地域経済とコミュニティ活動を活性化する。地域住民のみならず、訪日外国人や国内旅行者が利用することで多くのお金が「地域」に流入することになる。円より価値のある地域通貨「自治体Pay」に仕立て上げるために、“地域ならでは”の特典を受けることができる仕組みを提供する。

  1. 「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」の情報発信でインバウンドの送客・誘客をサポート

訪日外国人が旅行を計画し、実際に訪れ帰国するまでの以下の3つのシーンそれぞれのタイミングで情報発信を行い、旅行をサポートする。

旅マエ:市町村や各店舗の専用ページを作成しラカラ会員1億人への情報発信を実施
旅ナカ:端末・APIの提供を行い、ポイント決済を可能にする
旅アト:旅先の関連商品を越境ECで販売

  1. 地方に訪日外国人を集客するための送客・誘客プロモーション

これまでインバウンド対応を行っていない、またはやり方が分からないといった地域の店舗に対して、訪日外国人の受け入れ体制の構築や誘客支援を実施するほか、インバウンド需要を取り込める商品・観光資源などの開発支援を行う。

また、協賛各社の取り組みは上の画像のとおりである。

img:PR TIMES