インフォマティクスは2018年12月19日、携帯電話や車載カメラ、カーナビゲーションなどGPS(全地球測位システム)で収集した緯度経度の位置情報を高速かつ高精度に補正するマップマッチングのクラウドサービスを開始すると発表した。
同社の技術をクラウドサービス化することで、今後より多くのユーザーが手軽にマップマッチングできるようになることを目指すという。2019年3月を目処にサービス提供を開始する予定だ。
位置情報収集のさまざまな問題点
同社によると、位置情報は、GPSで収集しただけの緯度経度だけでは誤差が大きいため、そのままでは活用範囲が限られてしまう。そのためディファレンシャルなど位置の補正技術が必要となるが、対応する機器が少ないうえ高価になるという。
また位置情報の取得する時間間隔も問題になるという。そのため、通った道路を推定するマップマッチングが必要となるが、旧来の技術では処理速度が遅い、正解率が低い、そもそもマップマッチングを行うソフトウエアを開発する必要がある、などの問題があると考えられるという。
こういったことから、AI先行企業のみならず、スタートアップ企業においても、マップマッチングは必要不可欠な技術だとし、今回のサービス開始にいたったとしている。
いくつもの情報を元に通行ルートを推定する新技術
同社のマップマッチングの手法はGPSの位置情報を単に一番近い道路に合わせるような単純な処理ではなく、前後の複数箇所の位置とその時刻情報、交差点を曲がった時の角度など、いくつもの情報を元に通行ルートを推定する技術だ。
今回、この技術をクラウドサービス化することにより、今後、研究やビジネス、コンシューマを問わずより多くのユーザーに対してマップマッチング・サービスを安価に提供し、また、配車アプリの開発会社などにも、アプリ連携のサービスを行っていく予定である。
今後は道路利用者だけを対象にするのではなく、鉄道利用による移動情報も補正と分析を対象とした総合的な移動手段プロファイリング技術を開発していく方針だ。
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