神戸市は、「都市ガス導管注入事業」に代わる新たな有効利用事業を、2024年4月1日より随時実施していくと発表した。
神戸市の下水処理場は、平成7年の阪神・淡路大震災により処理機能が停止するなど壊滅的な被害を受け、復興・復旧において、下水処理に加え再生可能エネルギー等の資源の有効利用に取り組んできたという。
東灘処理場では、下水処理の過程で発生する消化ガスを活用した、「自動車燃料」や「都市ガス導管注入事業」に加え、消化ガスの増量を目的として地域バイオマスを下水汚泥と併せて処理する「KOBEグリーン・スイーツプロジェクト」、下水汚泥から回収したリンを活用し「こうべ再生リン」として肥料化を行う「KOBEハーベストプロジェクト」など、さまざまな取組みを進めてきたとのことだ。
今回、「都市ガス導管注入事業」に代わる新たな有効利用事業として、「消化ガス発電事業」、発電された電気を用いて水の電気分解により水素を作る「水素供給事業(バイオガスステーションと併設)」を実施。
また、「KOBEグリーン・スイーツプロジェクト」を「バイオマス受入事業(事業系食品残渣等を受入れ)」として、受入量を大幅に拡大し、循環型社会ひいてはSDGsの取組みに貢献するとしている。
さらに、汚泥処理施設の改築と維持管理も併せて一つの事業として、汚泥処理の最適化と効率的な運営を実施するとのことだ。
■事業内容
▼消化ガス発電事業(民設民営)
事業期間:2024年4月1日~2044年3月31日
発電規模(能力):1,600kW(800kW/台×2台)
消化ガス利用量:4,250,000Nm3/年
発電電力量:約8,739,000kWh/ 年、一般家庭約2,400世帯分
▼水素供給事業(民設民営)
事業期間:2024年4月1日~2044年3月31日
水素充填規模(能力):30Nm3/日 35MPa
水素供給予定量:6,000Nm3/年水素自動車(乗用車)1台/日(登録・予約制)
▼バイオマス受入事業(公設民営)
事業期間:2026年4月1日~2044年3月31日
バイオマス受入量:16.5t/日平均(消化ガス増加量 600,000Nm3/年)
▼汚泥処理施設(脱水設備等)(公設公営)
工事期間:2022年11月19日~2029年2月28日
維持管理期間:2024年4月1日~2044年3月31日
▼CO2削減量:
事業全体:3,100t-CO2/年、一般家庭約1,120世帯分
■事業者
神鋼環境ソリューション・神鋼環境メンテナンス・アイテック・大栄環境グループ