大日本印刷(以下、DNP)は、富士特殊紙業、クレエなどと共同で、プラスチックの使用量や製造時の温室効果ガスの排出量を削減するとともに、分別廃棄可能な、リサイクル性を高めた環境配慮型紙製ボトル「ēfbottle™」の開発を開始したことを発表した。

「ēfbottle」の製品イメージ

「ēfbottle」のēfは、製品開発で目指した「環境にやさしい/Eco-Friendly」「地球にやさしい/Earth-Friendly」「排出ゼロ/Emission-Free」というキーワードと、共同プロジェクトの理念である「持続可能な新時代(Epoch)に向けて、各ステークホルダーが融合(Fusion)することで社会課題を解決する。」の頭文字に由来。

生活者の身近な容器包装は、原材料から製造・使用・廃棄・再利用までのサプライチェーン全体で環境負荷の低減を進めることと、使いやすさや機能性などの付加価値の提供が同時に求められているという。

DNPは今回、同じ志を持つ企業とともに「ēfbottle」の開発を開始。紙とフィルムパウチを組み合わせることで、ガラス瓶やPETボトルよりも環境負荷を低減するとともに、生活者にとってより使いやすく・親しみやすいボトルを実現していくという。

■「ēfbottle」の特長

1.循環型社会の実現に向けて資源循環に貢献
同製品は、①使用環境を考慮した耐水紙の「外装」と、②長期保存が可能な「口栓付きパウチ」で構成。①を紙素材、②をプラスチック素材にすることで、分別廃棄が可能な、リサイクルしやすい構造となっている。

また、②の口栓付パウチをモノマテリアル(単一素材)で製造することで、プラスチック素材のリサイクル性を向上。PETボトルと比較して、約30%のプラスチックの使用量削減が可能となっている。

2.脱炭素社会の実現に向けてGHG排出量の削減に貢献
ガラス瓶の製造時と比べて、「ēfbottle」製造時のエネルギー消費量とGHG排出量が削減可能。また、ガラス瓶と比べて大幅に軽量化できるため、製品輸送時の車両等からのGHG排出量削減にもつながる。

3.生活者と飲料各社とのコミュニケーションの向上に貢献
紙製でありながらガラス瓶特有の曲線的な形状を実現するとともに、ボトル全面に印刷できるため、店頭で生活者の目を惹く“アイキャッチ効果”の向上につながる。

また、デジタル技術を活かした印刷によって生活者一人ひとりの情報を表示するバリアブル商品やオリジナルデザインのボトルなど、生活者と企業のコミュニケーションの活性化をはじめ、さまざまな用途で活用可能。

軽くて持ちやすく、環境に配慮した製品という強みを活かし、環境に対する意識が高い若い世代をはじめ、あらゆる性別・年齢・嗜好の生活者に選ばれる“新時代の容器”を目指すとのことだ。

DNPは各社と連携し、「ēfbottle」の開発をさらに進め、日本酒や洋酒等の業界に向けた実証実験を2023年春頃に行う予定とし、同プロジェクトでは、環境負荷の低減、生活者の利便性向上に向けた共同開発に、継続的に取り組んでいくという。

なおDNPは、2022年10月12日~14日に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK 2022(2022東京国際包装展)」に出展し、「ēfbottle」を参考出品するとのことだ。