東京大学は、1・2回目ファイザーワクチン接種者は3回目にファイザーよりもモデルナの方が感染予防効果は高い可能性について以下の通り発表した。
発表概要
新型コロナウイルス感染流行の長期化に伴い、ワクチン一次接種(1回目および2回目接種)完了者に対するブースター接種が各国で行われている。3回目のブースター接種は新型コロナウイルス感染予防に有効であることが知られており、一次接種とブースター接種の組み合わせによって効果が異なる可能性が示唆されていた。
今回、東京大学大学院医学系研究科の大野幸子特任講師、道端伸明特任助教、康永秀生教授、東京大学大学院情報学環上村鋼平准教授らの研究グループは、ワクチン接種記録システム(VRS:Vaccination Record System)、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS:Health Center Real-time information-sharing System on COVID19)のデータを用いて、一次接種とブースター接種のワクチンの組み合わせの違いによる新型コロナウイルス感染予防効果の違いについて調査。
その結果、ファイザー社製ワクチンによる一次接種完了者では、3回目のブースター接種でモデルナ社製ワクチンを使用した場合、ファイザー社製ワクチンを使用した場合と比較して、より新型コロナウイルスの感染のリスクが低くなることが初めて明らかとなったとのことだ。
なお、同研究結果は、未だ不明な点が多いワクチンの組み合わせとその有効性について新たな知見を与え、個人の意思決定やワクチン確保・流通の政策立案に寄与すると考えられるという。
同研究成果は、日本時間9月18日に米国医学雑誌「Clinical Infectious Diseases」のオンライン版に掲載。
研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)ワクチン開発推進事業「予防接種情報とレセプトデータの連結データベースの構築および既存ワクチンの有効性・安全性に関する疫学的・医療経済学評価に関する研究開発」の支援により行われたとしている。