VUILD（ヴィルド）は日本初となるオンデマンドでオーダーメイド家具を出力できる自律分散型地域生産プラットフォーム「EMARF」のβ版をリリースした。

EMARFとデジタル木工機器Shopbot（ショップボット）を連動し、地域の材料を用いて、ユーザーに最短距離・最短時間でオリジナルの製品を届けることが可能となる。

「EMARF（エマーフ）」とは

EMARFはVUILDが独自に開発した設計システムで、ウェブ上のアプリケーションを使い、家具の産地やデザイン、サイズをカスタマイズできるプラットフォームだ。買い手がオンラインで家具を自由に設計し、全国各地の工房にあるShopbotでオンデマンド出力できる日本初のサービスとなる。

Shopbot（ショップボット）とは

Shopbotとは、木材をコンピュータ上の設計データ通りに削りだせるデジタル加工機のことを指す。VUILDではこれまで、バリューチェーンの川上に位置する製材所・材木屋・工務店など全国30箇所に導入してきた。

プラモデルのように部品が完成するため、仕上げの組立や塗装は買い手自身で行うことも工房に任せることもできる。

EMARFのもたらすメリットとは

EMARFが提供する家具のデザインテンプレートは、世界中のデザイナーたちが自由に投稿でき、売上に応じてデザイン費が還元される。買い手にとってはデザインの選択肢が広がり、デザイナーにとっては新たな仕事の機会や作品の普及活動の場として機能する利点がある。

さらにEMARFでは、地域に根ざしたものづくりにもこだわり、最小限の物流で完結するシステムを目指すという。

伐採ー製材ー乾燥ーShopbotによる切削といった、すべての生産過程が半径10km圏内のエリアで完結するシステムを構築することで、森の生態系維持や地域産業の活性化に寄与したいという考えだ。

今後、ユーザーが希望のイメージをスケッチ化してデータに落としこむといった、個人の創造性を拡張しうるインターフェースの展開を検討している。

また、すでに世界で普及している7,000台のShopbotと連携し、国を超えて自立分散型の地域生産プラットフォームを活用できるようにするなどグローバル展開も進める考えだ。

img：PR TIMES