東レの100%子会社である東レインターナショナルは、あらゆる製造・物流・工事現場で資材や貨物の吊り上げに使用される繊維スリング(吊り具)のシライスリング®について、国内初となる(同社調べ)リサイクルポリエステル糸を使用した環境配慮型繊維スリングを開発し、9月から販売を開始すると発表した。
販売数量は2023年度10万本/年、2025年度25万本/年を目標としているという。
繊維スリングは、ワイヤロープやチェーンスリングに比べ軽量で柔軟性に優れているため、吊り荷を傷つけにくいメリットのほか、その取り扱いやすさから作業の合理化や省力化に役立つという。
そのため国内のさまざまな現場作業で使われており、その市場は今後も安定的な成長が見込まれている。昨今では社会のサステナブルへの関心の高まりを受け、現場で使われる繊維スリングについても、環境配慮型製品に対する要望が高まっているとのことだ。
従来の繊維スリング(ベルトスリング)には、主として高強力ポリエステル糸が使用されている。現在流通している高強力ポリエステルのリサイクル糸は、一部養生ネットなど土木建築資材用途にて使用されていたが、現状の性能(強度、伸度)では、繊維スリングに求められる性能を満たすことは困難であったという。
今回、東レグループの技術・開発力を結集し、繊維スリングに適した強度・伸度を持つ高強力リサイクルポリエステル糸の開発に成功したことで、従来の繊維スリングと同等の性能を保持し、環境に配慮した製品の開発・生産体制を確立。
同社は今後、既存の繊維スリング製品を順次環境配慮型製品に転換し、作業現場における環境配慮型製品の幅広い用途への導入を図ることで、持続可能な社会構築の一翼を担うことを目指すとしている。
製品概要は以下の通り。
商品名:
「シライスリング®」シグナルスリング®
商品特長、技術概要:
(1)ワイヤロープやチェーンスリングに比べて軽量で柔軟性に優れており、扱い易く、作業の合理化と省力化に役立つ。吊り荷を傷つけにくい。
(2)工程屑(繊維・フィルム)をリサイクルすることで生産する高強力リサイクルポリエステル原着糸を、スリング1本あたり約60-65%使用(マテリアルリサイクル)。
(3)リサイクル原着糸を使用しながらも、従来製品と同等の強度や伸度などのスペックを保持。(JIS(日本産業規格)B8818 3等級 認証取得申請中)
(4)公益財団法人日本環境協会の‘エコマーク’認証取得済み。
展開用途:
重工業・自動車・鉄鋼・造船・土木建築・物流・発電所等の現場における玉掛け作業(吊り荷作業)
発売時期:
2022年9月より販売開始
販売目標:
2023年度販売数量10万本/年、2025年度販売数量25万本/年