エモスタは2018年11月12日、プレゼンテーターの表情のみを予測因子として、プレゼンテーターに対して聴衆がもつ印象を81%の精度で予測するアルゴリズムを開発したと発表した。

同社は、人の表情から93%以上の精度で感情を認識し、複数人認識時には共感度を計測するAI、「Emoreader(特許出願中)エモリーダー」を開発している。

これまで、営業・接客担当者、面接における面接対象者、教育現場における先生・ファシリテータなどさまざまな場面でのコミュニケーションの質の定量化とその改善を支援するプログラムの開発の要望を受けていた。

そして今回、これらを実現するために重要な要素である「印象」の評価を行うことに成功した。

AIで「印象」の評価を行うことに成功

今回開発に用いたのはTED Talkのビデオで、ビデオに紐づいている以下の評価項目をプレゼンテーターの表情から予測した。

  • 「Beautiful(美しい)」
  • 「Courageous(勇気付けられる)」
  • 「Fascinating(魅力的))」
  • 「Funny(面白い)」
  • 「Informative(ためになる)」
  • 「Ingenious(上手い)」
  • 「Inspiring(心動かされる)」
  • 「Persuasive(説得力がある)」

結果、81%の精度での予測を実現した。同社によると、話の内容や声のトーン、プレゼンターの属性情報などを用いずに実現している点で非常に画期的だという。

また、プレゼンターに対する印象の多くが話の内容などではなく表情を通じて伝わっていると示唆している点でも興味深い結果となったとしている。

解析例として、以下の動画があげられている。

[解析例]
故スティーブ・ジョブス氏のスタンフォード大学卒業式辞でのスピーチ

こちらの解析結果としては、下のグラフのように「Informative(ためになる)」「Inspiring(心動かされる)」が特徴的に高いスコアを示した。

同社では、この成果は、解析対象となる「印象」を入れ替えることで、営業、接客担当者、プレゼンテーター、教師、上司、政治家など人からの印象が成果に直結する職種におけるスキル評価、スキル向上支援に用いられることが期待されるとしている。

img:PR TIMES