出光興産、INPEX、三井石油開発の3社は、秋田県湯沢市における地熱発電所設置計画について建設段階への移行を決定したことを発表した。

発電所は、蝸牛山(かたつむりやま)中腹(以下、小安地域)に建設し、運営は3社が出資する小安地熱が行うという。なお、運転開始は2027年3月を計画しているとのことだ。

3社は地下資源開発における各社の技術・知見を活用し、2011年より合同で小安地域での地下資源の探査、地熱資源量の確認および経済性評価等の調査を行い、事業化を検討。

調査に際しては独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)の助成を受けているという。調査の結果、3社は事業化が可能と判断し、このたび「かたつむり山発電所」の建設段階への移行を決定。今後、国、地方自治体等に対して必要な手続きを進めていくとのことだ。

なお、建設に際してはJOGMECの債務保証による支援を受ける予定とし、発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の認定を受けるという。

また、2021年に実施した約3か月にわたる噴出試験(生産能力評価のための実証試験)のデータを用いた評価の結果、約15MWの出力に相当する地熱流体(蒸気と熱水)の安定した生産が長期的に可能となる見込みとしている。

かたつむり山発電所は環境や景観にも配慮した設計を行う予定で、3社は地域に貢献する発電所の建設・運営に取り組むという。

地熱発電は天候に左右されずに安定的な電力供給が可能な再生可能エネルギーとして近年ますます期待が高まっており、3社は今後も積極的に再生可能エネルギーの普及・拡大を推進し、日本のエネルギー・セキュリティと低炭素社会の実現へ貢献していくとのことだ。