日本電信電話は、NTTグループのグローバル持株会社であるNTT(以下、NTT, Inc.)およびグローバル通信事業を営むNTT Limited(以下、NTT Ltd.)を、エヌ・ティ・ティ・データ(以下、NTTデータ)の傘下に移管し、NTT, Inc.およびNTT Ltd.の下で営むグローバル事業とNTTデータグループのグローバル事業を統合することを決定したと発表した。
1.背景
NTTグループのグローバル事業は、2018年にグローバル事業を統括する中間持株会社であるNTT, Inc.を設立し、2019年NTT, Inc.傘下に、NTTコミュニケーションズグループ、Dimension Dataグループ(当時)、NTTセキュリティグループ(当時)の各グローバル事業をNTT Ltd.グループとして再編成。
その後”One NTT”としてNTTデータグループとNTT Ltd.グループのグローバル事業の成長を加速させてきた結果、現在NTTグループはアプリケーションからITインフラまで提供できる稀有なグローバルプレイヤーとしての地位を確立しており、グローバル事業の売上高は約2兆円に成長している。
しかしながら、昨今ユーザーのニーズはますます多様化・高度化し、デジタル技術を活用したトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まっている。
また、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせてサービスラインを拡大するなど、事業環境が大きく変化してきているという。
2.再編の目的
このような状況下、NTTデータとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業をNTTデータ傘下に集約し、両社がより一体となって事業運営を行うという。
また、NTTデータの持つコンサルティング、アプリケーション開発等のケイパビリティと、NTT Ltd.が得意とするデータセンター、ネットワーク、マネージドサービス等の高付加価値サービスを組み合わせ、ユーザーにトータルで新たな価値を提供すると共に、長期的にはNTTのIOWN技術を活用した革新的なサービスをグローバルで展開していくとのことだ。
更に、NTTグループのグローバル人材を結集することで、海外各地域における事業特性やユーザー特性等に合わせた迅速な意思決定を実現し、グローバルガバナンスを強化していくという。
3.再編の概要
2022年10月に同社45%、NTTデータ55%の共同出資により、海外事業会社を設立。共同出資とすることで、戦略面・実務面でのNTT連携を進め、グローバル事業の成長を実現していくという。
具体的には、統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービスを提供していく。
NTTの研究開発の成果も活用し、Smart Worldや5G等の分野におけるビジネスを推進していくと同時に、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組んでいくという。
4.その他
市場買付により6,000万株又は1,000億円を上限として、NTTデータ株式を取得することを予定しているとのことだ。