Metaは、炭素除去技術の開発を加速するために、Stripe、Alphabet、Shopify、McKinsey Sustainabilityと共同で、9億2,500万米ドルを拠出することを発表した。

同取り組みは、2030年までにバリューチェーン全体でネットゼロエミッションを達成するという同社のコミットメントを強化するものであるという。

気候変動による最悪の影響を回避するためには、二酸化炭素の排出を減らすだけでなく、すでに大気中に存在する二酸化炭素を除去することにも注力する必要があるという。

そこでMetaは、Stripe、Alphabet、Shopify、McKinsey Sustainabilityとの新たなパートナーシップを締結し、炭素除去技術の開発を加速させるための事前買取制度(Advance Market Commitment、以下:AMC)を適用した「Frontier」を創設。

「Frontier」は、研究者や起業家、投資家に対して、炭素除去市場における強い需要を示すことを目的としているという。Meta含む5社は、今後 9 年間で 9 億 2,500 万ドルを拠出し、有望な新技術を開発している企業から、トン単位の二酸化炭素除去を購入する予定であるとのことだ。

トン単位の炭素除去量の購入は、大気中の温室効果ガスを除去するプロジェクトに投資することを意味するという。この取り組みは、2030年までにバリューチェーン全体でネットゼロエミッションを達成するという同社のコミットメントを強化するものであるという。

Frontier は、長期的に最も有望な技術を特定し、その技術の拡大を支援することで、世界の気候変動目標の達成に必要なソリューションを加速させることができると考えており、非営利団体、企業、市民社会など、世界的に著名な組織との協力は、サステナビリティ戦略にとって不可欠であり、変化をもたらすための鍵となるとしている。

AMCモデルは、10年前に低所得国向けのワクチン開発(英文のみ)を加速させるために試験的に導入され、結果的に推定 70 万人の命を救ったとしている。

このモデルが大規模な炭素除去に適用されるのは今回が初めてであり、これらの技術は開発の初期段階にあり、現在、これらの技術は高価で、大規模なテストは実施されておらず、炭素市場でも新しいという。

同社は、Frontierに投資することで、「ネットゼロ」の目標達成に寄与する炭素除去量を得ることができると期待しているとのことだ。

まず初めのステップは以下のとおり。

●新しいモニタリング・検証手法の開発を支援する活動
●技術的除去における気候の公平性と社会・環境面の成果に関する新しい基準を設定する

健全な炭素市場への貢献

新技術の開発を加速させることは、炭素除去に対するMetaの取り組みの一部に過ぎない。炭素除去の大部分は、樹木や土壌が二酸化炭素を吸収・保持することで自然に行われる。同社は、森林再生、アグロフォレストリー、草原管理、持続可能な農業プロジェクトからクレジットを購入しているが、これらのプロジェクトも極めて重要な炭素除去を実現している。

そうすることで、重要な生態系サービスを提供し、樹木や土壌に依存して生活する地域社会をサポートするとのことだ。

Metaの気候変動(英文のみ)への取り組みは、地元の農家が行うものから、大気中の二酸化炭素を回収する巨大な扇風機までと、あらゆる解決策が重要であると理解している。

どのような解決策であっても、地域社会に利益をもたらし、安全で責任ある資源利用を行い、地域社会を巻き込んだ、信頼できるプロジェクトに責任を持って取り組んでいくとしている。