Adobe(以下アドビ)は2022年3月16日、Adobe Summit 2022において企業のメタバース分野での成功を支援する一連のイノベーションや製品統合機能を発表した。

アドビは、現在提供している没入型の3D体験、Eコマースプラットフォーム、デジタル体験を構築する機能をもとに、リアルで魅力的なバーチャル顧客体験を設計、作成し、何百万人ものユーザーに提供するイノベーションを発表。

Adobe Creative CloudとAdobe Experience Cloudの新しい統合により、アドビの3Dコンテンツ作成ツールと顧客体験のパーソナライゼーションソリューションが幅広い業種の企業に提供されるようになるという。

また、アドビは企業向けのプレイブックを発表し、近日リリース予定の「Substance 3D Modeler」や拡張現実(AR)ショッピングツールのプレビューを公開。

さらに、メタバース対応の主な要素を含む数々のテクノロジーの進化とデジタル体験の提供に関して、The Coca-Cola Company、Epic Games、NASCAR、NVIDIAを含むトップ企業とのコラボレーションも発表した。

■提供内容概要

3Dを含む没入型コンテンツ制作:
ゲームやインタラクティブなEコマース、教育体験など、現在の没入型体験の大部分は、アドビの業界をリードする3Dおよび没入型コンテンツ作成ツールであるAdobe Substance 3D CollectionとAdobe Aeroを使用して構築されているという。

先進的な企業では、Adobe Substance 3D Stagerなどのツールを使ったバーチャル撮影をはじめとする3Dデザインワークフローを活用し、より高品質に、より速く、より効率的に製品デザインとマーケティングコンテンツを制作するとのことだ。

バーチャルEコマース体験:
現在、アドビは何千もの企業と連携してデジタルストアフロントやその他のEコマース体験を強化しているとし、アドビの同領域の専門性とクロスクラウド統合により、ユーザーはバーチャルな世界でバーチャルな商品と物理的な商品の両方を購入し、没入感のある体験ができるようになるという。

●仮想空間におけるアイデンティティや所有物のポータビリティ:
現在、アドビは顧客がどこにいてどのチャネルを利用していても、一貫性がありパーソナライズされたデジタル体験が提供できるように企業を支援。

アドビは、この知見をさらに進化させ、メタバースなどの没入型体験のユーザーがオンライン上に独自のペルソナや所有物をデザインし、バーチャル世界のどこにいてもカスタマイズされた資産を使用できるようにするとしている。

メタバースは、仮想世界を通じて人々の交流を可能にする没入体験で構成され、そこでは仕事、ゲーム、Eコマースだけでなく、ロボティクス、自動運転車の訓練、気候変動の研究などが共有され、新たなイノベーションの波を後押しすると予想されているという。

アドビは、クリエイティブ3Dおよび没入型コンテンツ制作ツールとAdobe Experience Cloudの統合を進めており、最初に統合を予定しているのは、Adobe Commerce、Adobe Experience Manager、Adobe Analytics、Adobe Targetとしている。

またCreative Cloudアプリケーションのポートフォリオ全体にわたり、コンテンツ制作やエフェクトの適用などにおいて3D機能の統合を強化するとのことだ。