Hondaは、スイス国内でV2Gエネルギーマネジメント実証プロジェクトを行うコンソーシアム「V2X Suisse(スイス)」に参画し、2022年9月より実証実験を開始すると発表した。

同実証では、EV「Honda e」50台をカーシェアリング用に提供するとともに、V2G実証用に提供する双方向充電器「Honda Power Manager」35台を用い、Honda eを移動に使わない時は蓄電池として活用することで電力の安定供給を目指すとのことだ。

V2X Suisseに参画

Hondaは、電動モビリティとエネルギーサービスをつなぎ、「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献することで、環境負荷ゼロの循環型社会実現を目指しているという。

その中で、再生可能エネルギーを電源として活用する際には、天候や気候、昼夜など自然条件に合わせて発電量が変動するため、EVのバッテリーを蓄電池として活用し、電力を一時的に溜めて必要な時に電力系統に供給するV2G技術が重要な役割を担うと考え、研究・開発に取り組んでいるとしている。

今回の実証実験は、スイスの大手カーシェアリング企業Mobility社を中心に、カーシェアリング車両を使ったV2Gの実証を実施。

Hondaは、欧州のEV充電規格「CCS」に対応し双方向充電を可能にした欧州唯一のEVとなるHonda eを50台提供。

Honda eはMobility社によりスイス国内40か所の充電ステーションに配備され、カーシェアリング車両として地域住民の移動に使用されるとともに、移動に使わない時には蓄電池としての役割も果たしていくとのことだ。

また、Hondaは実証用のHonda Power Manager35台も提供。これらはコンソーシアムメンバーであるEVTEC社の双方向充電器とともに実証実験に使用されるという。

Honda eを双方向充電器に接続することで、1台あたり最大20キロワットの電力を電力系統に供給することができ、電力の安定供給に貢献。

なお、同実証実験はCCSに対応し、双方向充電を可能にした量産車を導入する世界初の取り組みとしている。

Hondaは、同実証を通じて実環境でのデータ収集・分析を行い、カーシェアリングとV2Gの運用時間や頻度、利用者の利便性などを検証して、将来のエネルギーサービス開発に生かしていくとのことだ。