パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、「転職市場予測2022上半期」を公開したと発表した。

2022年上半期、転職市場はほぼすべての業界・職種で求人増の傾向

2022年上半期(1月~6月)の転職市場は、14の業界・職種のほぼすべてで求人が増加する見込みであるという。

業界ではIT・Web、製造、建設、金融、医療、化学・素材など、職種ではITエンジニア、Webクリエイティブ、電気・機械エンジニア、建築・土木エンジニア、化学エンジニア、金融専門職、営業、管理部門(人事、経理、法務)、企画・マーケティング、販売・サービスなど、かなり幅広く求人が増えるという。事務・アシスタントも横ばいであるとのことだ。

2022年上半期、転職には“追い風”が吹いてチャンスが広がる

2022年上半期の転職市場には、転職のチャンスを広げる“追い風”が吹いていると言えるとのこと。直近2年間、コロナによってもたらされた社会の変化が2022年上半期の求人ニーズの背景にあるとしている。

IT化・DXに取り組む企業が増え、事業領域の変化、ビジネスの非対面化、ワークスタイルの変化がますます進んでいる。それに加えて、すべての業界で2020年から2021年のコロナ禍で新卒採用、中途採用を控えていた企業が採用活動を一斉に再開し始めたため求人増加が予想されるとのことだ。

とりわけ、IT業界、Web業界を中心に事業活動が活発な企業ではITエンジニアやクリエイティブ職だけでなく営業職や人事、経理でも求人数増加が期待できるという。

業績好調の半導体、電子部品の業界では電気・機械のエンジニア、化学エンジニアの採用が増えそうであるとし、ビジネス環境の変化は、業界を問わず企画・マーケティング、法務などスペシャリスト系の求人増にもつながっているという。

1月~3月は1年の中で最も採用が活発になる時期

例年の傾向として1月~3月は1年の中で最も採用が活発な時期。企業の多くは3月・4月が年度の替わり目なため、組織変更・人事異動に合わせて4月入社が多くなるのと、3月までに採用予算を使い切りたいという企業の思惑があるからであるとのことだ。

元々こうした時期要因があるのに加えて、2020年~2021年にかけてコロナの影響で採用活動を抑制した反動もあり、2022年1月~3月も転職活動のチャンスが広がると予測されている。

国が掲げた「CO2排出量削減」を踏まえ、「SDGs」や「脱炭素」をキーワードにした採用が活発化

近年「SDGs」に取り組む企業が増加しているが、2022年はこの動きがさらに加速すると考えられる。それに伴い、採用ニーズにも変化が生まれることが推測されているとのことだ。

例えば、自動車メーカーでは、「脱炭素社会」を目指し、自動車のEV化への対応強化を図るため、電池関連の設計職や開発エンジニア、電池を構成する材料開発の研究職などのニーズが今まで以上に高まると見込まれている。

同様に化学・素材メーカーでは「カーボンニュートラル」を見据え、CO2の回収やバイオマス材料の研究・開発職の採用が活発化すると予想されるとのことだ。