オンライン内覧サービスなど「不動産Tech」が隆盛をみせている。これまでのほとんどは、不動産の内覧や下見がオンラインで完結するというものがほとんどだった。ところが、テクノロジーの進化はそれだけにとどまらない。
今回、部屋の賃貸までオンラインで完結するというサービスが登場した。
オーセンは、内見不要のユーザーに特化したオンライン完結賃貸サービス「AWANAI賃貸」を開始した。まずはα版として平日限定で先行スタートし、年度内を目処に24時間365日での提供を目指すという。
オンライン完結で部屋を借りれる業界初の賃貸サービス
AWANAI賃貸とは、“内見不要なユーザー”に特化し、オンライン完結で部屋を借りれる業界初の賃貸サービスだ。
これまで部屋の賃貸には、担当者と下記のような平均4回の対面が必要だったという。これを0回にし、「一度も会わない、不動産屋さん。」を実現しようというもの。
- 物件の案内
従来、不動産賃貸仲介店舗で物件の案内・提案をしていたものを、LINEに特化して無店舗で接客する。 - 内見
このサービスでは内見不要なユーザーに特化してサービスを提供する。 - 契約書締結・重要事項説明
これまで、対面で行っていた契約書の締結を郵送で対応する。また、重要事項説明は2017年10月解禁されたIT重説(ITを活用した重要事項説明)に特化し、オンラインシステムを用いた「非対面」で実施する。 - 鍵の受け取り
鍵の受け取りについては、郵送で対応する。
また、AWANAI賃貸は以下のようなユーザーを想定している。
- 現住所と転居先の距離があり、内見や契約のために転居先に気軽にいけない人
- 毎日忙しく、部屋探しの時間を作れない人
- 不動産屋が苦手で、店舗に行きづらい人
今後の展開として、まずはα版として平日限定で先行スタートし、年度内を目処に24時間365日での提供を目指す。その他、ユーザー様のお部屋探し体験の満足度最大化に向けて、以下のようなサービス拡充を検討しているという。
- VR内見サービス
- 電子契約
- AIを活用した物件の自動提案、レコメンドエンジンの実装
- ブロックチェーンを活用した信用評価による入居審査
- これらのサービスとの事業提携、自社開発
部屋の賃貸でさえオンラインで完結する時代に
こういった賃貸契約などは、対面でないと信頼性への不安が残ると感じるユーザーもいるだろう。ただし、今回のサービスはそうしたことが気にならないユーザーを対象にしているため、確実に需要はあるはずだ。部屋の賃貸でさえ、完全に人を介さずのオンラインで完結する時代もすぐそこまで来ているのかもしれない。
新たな試みである「オンライン賃貸」がどのように不動産業界に影響を与えていくのか、他の業界にも横展開されていくのかなど、注視したいところだ。
img:PR TIMES