日産自動車は、14日、環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結したと発表した。

自動車産業の企業が、環境省と同パートナーシップを締結するのは、初めてとなるとのことだ。

「国立公園オフィシャルパートナーシップ」は、環境省と企業・団体が相互に協力し、国立公園の魅力を発信するとともに、国立公園利用者の拡大を図ることで、人々の環境保全への理解を深めると共に、地域の活性化につなげる取り組みであるという。

小泉進次郎環境大臣出席のもと、同日執り行われたオンライン締結式には、日産自動車副社長の星野朝子氏も参加。第8回目を迎えた締結式には、パートナー7企業・団体が参加し、今回をもって全112の企業、団体がオフィシャルパートナーとなっているとのことだ。

日産自動車は、2018年5月より、電気自動車(EV)の普及を通じて、環境、防災、エネルギーマネジメント、観光、過疎などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を推進。

今回のパートナーシップは、この『ブルー・スイッチ』活動の一環として、EVを観光に活用し国立公園の魅力を発信する上で、国立公園を管理する環境省と相互に協力しあうことを目的に締結されたという。

なお、日産の『ブルー・スイッチ』活動としては、141件目の取り組みとなる。

【取り組み概要】

(1) 関係自治体および企業と連携した電気自動車(EV)を活用した国立公園の魅力を満喫できるエコツーリズムの企画および実施を通じた国立公園の理解および誘客の促進

(2) 電気自動車(EV)での国立公園訪問を促進するよう、SNS等で情報発信を行うことを通じた国立公園の認知向上および来訪促進

(3) 関係自治体の協力を通じた国立公園内および周辺地域における電気自動車(EV)利用による観光施設等利用の優遇特典のとりまとめと、それら情報を掲載した情報の配布および配信による国立公園の認知向上および誘客促進

【過去の具体的取り組み事例】

熊本県阿蘇市は、環境にやさしい電気自動車で阿蘇くじゅう国立公園など阿蘇市の主要な観光地に訪れた際に受けられる電気自動車優遇策を、2021年4月1日より開始。

同優遇策は、対象となる駐車場の無料化、有料道路代金の割引、などといった電気自動車にのみ適用される施策。

阿蘇市と日産グループは、この優遇策が阿蘇市内外に広く認知されることにより、更なる電気自動車の普及を目指して連携を深め、阿蘇市の環境負荷低減と2016年4月に発生した熊本地震からの復興に取り組んでいるという。

日産自動車は、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルを実現する目標の達成に向け、2030年代早期より、主要市場に投入する新型車をすべて電動車両にすることを目指している。

今回の国立公園オフィシャルパートナーシップ締結を受けて、今後も、環境省や国立公園関係自治体との連携をしながら、国立公園における環境に優しい電気自動車の普及と、観光活性化に取り組んでいくとのことだ。