メルカリの研究開発組織「mercari R4D」は、「量子インターネットタスクフォース(Quantum Internet Task Force, 以下、QITF)」を、産学連携コンソーシアムとして共同で設立したと発表した。

QITFは、2019年5月に任意団体として設立され、研究活動をおこなうとともに、コンソーシアム化の準備を進めてきたとのことだ。

今後は研究開発コンソーシアムとしてさらなる成果を目指し、来る本格的な量子技術時代におけるコンピュータネットワーク基盤を担う量子インターネットに関する研究開発を推進するとしている。

量子インターネットは、量子信号中継機能を持ち、量子データを広域で安定的に送受信することを目的とするシステム。

これまでの研究により、少なくとも、広域・遠隔環境での分散量子計算、攻撃不可能な通信セキュリティやプライバシー保護されたデータ処理、超高精度時刻同期、高精度宇宙望遠鏡など、社会や科学の発展に大きく貢献することが期待されるアプリケーションが量子インターネットによって実現されることがわかっているとのことだ。

量子データの汎用通信基盤として、量子インターネットは、量子トランスフォーメーションや量子前提社会に不可欠な社会インフラとなると予測されているとしている。

メンバーは現在、大阪大学、沖縄科学技術大学院大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、国立情報学研究所、情報通信研究機構、東京大学、日本大学、株式会社メルカリ、横浜国立大学、早稲田大学(50音順)から、あわせて約30名のスタッフが参画(一部契約作業中)しているという。

QITFは、量子インターネット領域における日本中の研究者・開発者を組成して研究開発に取り組み、量子インターネットの実現と標準化、そして社会へのコミットメントを目指すとのことだ。

「mercari R4D」は、量子インターネットアーキテクチャや通信プロトコルなどの研究に取り組み、次世代のインターネットの実現を目指して、QITFの活動に貢献していくとしている。

■ボードメンバー
・大阪大学 助教 生田力三
・沖縄科学技術大学院大学 准教授 高橋優樹
・慶應義塾大学 特任講師 佐藤貴彦
・情報通信研究機構 研究員 逵本吉朗
・東京大学 講師 佐々木寿彦
・メルカリ シニアリサーチャー 永山翔太(ファウンダー)
・国際基督教大学 准教授 山崎歴舟
・横浜国立大学 准教授 堀切智之
・横浜国立大学 助教 関口雄平

■アドバイザリーボード
・大阪大学 教授 山本俊
・慶應義塾大学 教授 Rodney Van Meter
・慶應義塾大学 教授 村井純
・国立情報学研究所 教授 根本香絵
・東京大学 特命教授/大阪大学 名誉教授 井元信之
・横浜国立大学 教授 小坂英男

事務局は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに設置され、同大学環境情報学部 Rodney Van Meter 教授が統括するとしている。