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ゲッティイメージズ ジャパンは、ストックフォトサイト「iStock」(以下、iStock)の検索データを分析し、ジェンダーステレオタイプを克服するビジュアルのチェックポイントを発表した。
市場の分析データに基づいた、質の高い1億2500万点以上のコンテンツを提供するiStockは、時代に合わせた企業コンテンツを提案し、クリエイティブの分野においても業界を牽引し続けているという。
iStockを運営するゲッティイメージズのレポート「Visual GPS」に裏付けられた市場のニーズやトレンドをもとに、世界中の34万人のコントリビューターと呼ばれる契約フォトグラファー(うち85,000人が専属)に対して撮影指導を行うことで、時代に合わせたコンテンツを提案している。
ブランド価値や企業の社会的責任が消費者とのエンゲージメントを高め、消費行動に直結する時代において、10年以上にわたり”本物“のビジュアル表現のあり方を提唱し続けてきたゲッティイメージズは、より多様な社会においてステレオタイプを打破することをミッションに、多くのクリエイティブ画像や動画を配信しているとのことだ。
男女格差の大きさを国別に比較した、世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」において、日本は調査対象となった世界156か国の120位、主要7か国(G7)では引き続き最下位。
更に、2020年の7月に行われた「Visual GPS」の調査でも、日本人女性の51%が、ジェンダーバイアスの影響を受けたことがあると回答するなど、日本社会においてまだまだ男女の格差があることが判るという。
新型コロナウイルスの世界的な流行から1年が経過し、ニューノーマル時代を表すビジュアルもこの1年間で多く蓄積されてきた。
今回のニュースレターでは、過去1年間のダウンロードデータをもとに、家族や家庭内におけるジェンダーステレオタイプを克服した画像を選ぶ際のチェックポイントを発表。
■iStockの画像検索結果により浮き彫りになったジェンダーステレオタイプ
新型コロナウイルス感染拡大により、需要の高まった「在宅ワーク」や「テレワーク」に関する画像のダウンロード数は、2020年1月から2020年12月の間の過去1年間で、881%上昇。
イギリスで最もダウンロードされた画像は、父親がノートパソコンで仕事をしている隣で、母親が息子の宿題を手伝っている画像、日本では、母親が在宅ワークをしている隣で兄妹が勉強をしている画像であったという。
また、母親が子供に勉強を教えている画像のダウンロード数は、父親が子供に勉強を教えている画像の3倍にのぼり、「在宅勤務」に関する画像の中で家事や育児をしている母親は、家事や育児をしている父親より2倍多く描かれているなど、画像を選ぶ側(企業や事業主)が持つ、家庭内におけるジェンダーステレオタイプが浮き彫りになったとのことだ。
■いま求められるビジュアルとは
「在宅ワーク」を表す画像に登場する女性のうち、50歳以上の被写体はわずか1.8%、障害のある女性やボディサイズの大きい女性は0%と、コミュニケーションの中に多様性とインクルージョンを取り入れようとしている企業がまだまだ少ないこともわかる。
2020年7月から8月に行われたVisual GPSの調査でも、85% の日本人女性が「多様性を重視する職場で働きたい」、89%が「広告に自分が共感できる人が十分に表現されていない」と回答しており、消費者や従業員とのエンゲージメントを高めるには、あらゆるシーンにおいて、多様性とインクルージョンを意識したコンテンツを採用することが重要になってくるという。
■「多様性」が取り入れられたコンテンツを選ぶためのチェックポイントを発表
- 被写体の役割が、女性にも男性にも同じように当てはまるかどうか
- 男女の被写体が映っている場合、力関係は均等かどうか
- 人種に対する固定観念にとらわれていないか
- 50歳以上の女性を活き活きと描けているか
- あらゆるボディサイズや障害のある人を活き活きと描けているか
■「家族」や「家庭」に関するコンテンツを選ぶ際のチェックポイントを発表
- LGBTQI+のメンバーを含んだ画像も検討したか
- あらゆる年齢層の親と子供を含む家族を描けているか
- 障害を持つメンバーを含んだ画像も検討したか
- 様々な文化や背景を描けているか