自律制御システム研究所(以下、ACSL)は、工場設備や風力発電機、煙突内部等あらゆるインフラを点検できる国産ドローンACSL-PF2のサブスクリプションサービスの提供を開始すると発表した。

今まで、導入時のコストや導入後の維持管理における負担がハードルとなり活用が進まなかった国産ドローンを、サブスクリプションサービスにより導入しやすくすることで、点検作業の無人化・省人化を実現するとともに、ドローンの社会実装を推進していくとしている。

ドローンは、日本における少子高齢化に伴う様々な社会問題解決のためのロボティクス技術の一つとして注目されている。

ドローンの活用は、物流・インフラ点検・災害分野においてニーズが高まっており、特に、工場設備などのインフラ点検作業においては、ドローンの導入による省人化・無人化が期待されている。

しかし、高性能な産業用ドローンの導入には、初期費用がかかること、導入後の維持管理や熟練したパイロットを置くことができないなど、あらゆる負担がかかることが想定され、導入を断念しなければいけないといった課題があったとのことだ。

こうした課題を解決するため、ACSLは2020年8月に公表した中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」でサブスクリプションの導入を事業戦略の1つとして掲げ、機体の売り切りに加えて、顧客ニーズに合わせたサブスクリプションの導入を検討しており、今回提供を開始するにいたったとのことだ。

サブスクリプションサービスを開始するドローン「ACSL-PF2」は、これまでに物流、インフラ点検、災害等、様々な分野で採用されてきた。

ドローンの制御を担うフライトコントローラは自社で開発しており、空飛ぶIoTデバイスとして、サイバーセキュリティ等を確保しながら導入することが可能であるという。

■サブスクリプションサービスによるドローン導入のメリット

インフラ点検ドローン導入時の初期費用を大幅に削減することが可能。
使用環境、用途に合わせてカメラ等を選択することができる。
契約期間は3か月、6か月、12か月と3つのプランがあるため、必要な時に必要な期間だけ利用することが可能。

■サブスクリプションサービス概要

●サービス内容
・ACSL-PF2をベースとした以下の3機体を用途により選択できる
1)    1億画素カメラ搭載
2)    6100万画素カメラ搭載
3)    煙突点検用カスタマイズ
・故障時の代替機の貸し出し
・施設賠償(対人、対物)保険を付帯

●契約期間
3か月、6か月、12か月のプラン

●オプション
・バッテリー交換サービス
・オンライン、現地サポート
・定期メンテナンス

●ACSL-PF2 スペック
・飛行速度:水平:20 m/s(GPS環境下)
・最大対気速度:20 m/s
・最大飛行時間:29分(ペイロードなし)、15分(最大ペイロード)
・ペイロード: 2.75kg

●対環境性能
・使用温度範囲:0~40 ℃
・防塵防水:IP54(キャップ装着時)