ソニーネットワークコミュニケーションズは、映像とAIを活用してコーチングをサポートし、練習効果の飛躍的な向上を可能にするスイミングスクール向けのシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を、ルネサンスの協力のもと、開発したと発表した。
今回、ルネサンスが運営するジュニアスイミングスクールに同システムの導入を開始し、全国のスクールで「スマートスイミングレッスン」として順次サービス展開されるとのことだ。
「スマートスイミングレッスンシステム」では、壁面や水中などプールに複数のカメラを設置して映像を撮影するという。
レッスン中、生徒は泳いだ直後にプールサイドのタブレットで自分の泳ぎを動画でチェックすることができ、ビジュアルによる気づきや学びにつながるとのことだ。
また、同社が新たに開発したAIアルゴリズムにより、撮影した複数カメラの水面・水中の映像から泳いでいる人を検出し、最適なアングルを組み合わせた動画コンテンツに自動編集して、クラウド経由で個人別ページに配信できるという。
このシステムにより、スマートフォンなどを通じて離れた場所にいる保護者に動画とともに進級テストの結果を届けることが可能になるとのことだ。
「スマートスイミングレッスンシステム」 主な特徴は以下になる。
1. スイミング画像認識AIアルゴリズム
一般的にスイミングスクールでは泳いでる人数の多さに加え、水面の揺れや光の反射・屈折の影響もあるため、画像認識の難易度が高いといわれている。
同システムでは同社独自のAIアルゴリズムの開発により、映像から被写体を追従して複数カメラから最適なアングルを組み合わせた動画の自動編集を可能にし、グループレッスンで実用化しているという。
2. グループ指導・現場オペレーションに最適なアプリケーション
アプリケーションは現場のコーチと一体となり、トライアルを重ねて開発。グループ指導での運用のしやすさを考慮し、安全配慮が必要なスイミングスクールでもスムーズに操作できるUI/UXを実現している。
例えば、レッスン中でも操作しやすい画面デザイン、生徒の操作なく動画再生できるシステムなど、オペレーション負荷を軽減しつつ、より効果的なコーチングを可能にしているとのことだ。
3. スイミングスクールの環境と安全性を配慮したシステム設計
プール内であることに配慮し、防水対応を施してソニー製小型リモートカメラを設置している。
また、水中カメラは、独自に開発し、4Kの高画質録画と約4㎏という軽量化を実現。コーチが手軽に持ち運ぶことができるという。
従来、水中からの映像は特別な施設でないと見ることができなかったが、同システム導入により、スイミングスクールでの4Kの水中映像を体験することが可能になるとのことだ。
4. 生徒ごとの個人別ページ
個人別ページは、子どもが楽しみながらみることができるUIデザインに。進級テスト結果・手本動画・コーチからのメッセージなどをクラウド経由でセキュアに配信でき、スイミングスクールで過ごした思い出や頑張った記録を残すことができるという。
5. スイミングスクールのサービス価値向上
同システムは、映像とAIを活用し、従来のレッスンやスクール運営の付加価値向上に貢献するという。
映像などデジタル化された情報を活用することで、新たな顧客コミュニケーションが可能になり、スクールの顧客満足度向上につながるとのことだ。
また、指導ノウハウ等をデジタルコンテンツ化し、スイミングスクールの指導現場で活用できる形で提供することで、新たなレッスン体験の提供が可能になり、レッスン品質管理にも活用可能。
同システムは、スイミングスクールのデジタルトランスフォーメーション化を支援するICTソリューションとして、広く展開していく方針としている。