KDDIは、2021年1月以降、本社オフィスの座席を在籍社員数に対して4割削減し、2021年度以降に都内に分散している小規模な事業拠点やグループ会社の一部を本社ビルに集約すると発表した。
今回の取り組みは、2020年7月に発表した「KDDI新働き方宣言」に基づき、時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現に向けた取り組みの一環であるとのことだ。
「KDDI新働き方宣言」の骨子は以下。
- 従来のオフィス勤務を前提とした勤務形態から、テクノロジーを活用し、働く時間や場所にとらわれず成果を出せる柔軟な働き方に変革するための環境整備、制度改革を進める。
- 同時に、役職や組織などによらず垣根を越えたコラボレーションを進め、オープンに知見を共有するカルチャーへの改革を進める。
- 働き方とカルチャーの改革を通じ、社員の能力発揮を最大化し、エンゲージメントを高め、企業の持続的な成長を目指す。
また新人事制度を導入。働いた時間ではなく成果や挑戦および能力を評価・称賛し、処遇へ反映することを目的とし、以下の5つの考え方に基づいた新人事制度を2020年8月から導入したという。
同社は2020年6月以降、テレワークの積極的な利用により生まれたオフィス内の余剰スペースの活用を検討してきた。
今回、座席数を4割削減し、全フロアをフリーアドレス化することに加え、空いたスペースに都内に分散している事業拠点やグループ会社の一部を集約することで、オフィススペースの最適化を図るとのことだ。
また、テレワークの長期化によって生じた社員間のコミュニケーションの課題に対応し、テレワークと出社のハイブリッド型のワークプレイスの実現を目的として、オフィスでオンライン会議を行う集中スペース、1on1ミーティングのためのスペース、オンライン配信用のスタジオなどを新たに設置。
なお、2020年8月に虎ノ門に開設したオフィスでは、先行して在籍社員数に対して座席数を4割削減し、オンライン会議ツールを充実させるなど、場所にとらわれない働き方を実現するオフィス環境を整備しているという。
また、テレワーク時のセキュリティ確保と業務効率の向上を目指して、ゼロトラストのコンセプトに基づいたモバイルPCを2020年11月から全社員約12,000名に順次提供している。
これまでは、社内のパソコンの画面情報を社外のPCに転送する画面転送型シンクライアント方式のリモートアクセスでテレワークを行っていたが、今後は、社外でもセキュリティが強化されたPCでオフィスと同様に業務が行えるようになり、これまで以上に効率的にテレワークを行うことができるようになるとのことだ。
KDDIは、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することにより、テレワークと出社のハイブリットで、社員一人ひとりのスタイルに応じた働き方を実現していくとしている。
今後も引き続き、オフィス、IT環境、人事制度などの改革を継続し、ハイブリッドな働き方をスムーズに定着させ、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮することで、社員エンゲージメントと企業競争力の向上を目指していくとのことだ。