時代とともに、メディアのスタイルが変わってきている。それとともに、視聴する側のスタイルも変化をみせている。最近では、ミレニアル世代を中心に、Instagramの短編動画やNetflixなどの定額制動画サービスの影響から、スマホで動画を視聴するというのが一般的になった。

今回、若年層のリサーチ結果を発信する「TesTee Lab!」は、10〜30代のミレニアル世代の女性924名(10代308名、20代312名、30代304名)を対象に動画視聴に関する調査を実施した。

それによると、10代女性の8割が「スマーフォン」でTV・動画の視聴していることがわかった。

10代女性の約8割がスマホでTV・動画を視聴

まず「テレビ・動画を視聴する際の利用デバイス」を聞いた。その結果が上のグラフである。これによると、10代女性の第1位は「スマートフォン」で80.8%、20代女性も第1位は「スマートフォン」で73.7%、30代女性は「テレビ」で76.0%となった。

若い世代ほどデジタルネイティブであること、また定額制動画サービスや動画コンテンツプラットフォームなどの普及が、動画視聴メインデバイスにスマートフォンが選ばれる理由として考えられる。

またスマートフォンはPCやTVなどに比べ、手軽に持ち運びができ、場所や時間を問わず使用できる点も影響しているのではないだろうか。

女性全年代の約7割がInstagramを「1日に数回以上」起動

そして、10代〜30代女性580名(10代214名、20代210名、30代156名)のInstagramの利用者(インスタユーザー)を対象に、「Instagram」に関する調査を行った。

まず、Instagramの利用頻度を調査したところ、全年代において「1日に数回以上」と回答した人が約7割となり、インスタユーザーの女性はInstagramアプリを1日に複数回起動していることがわかった。

続いて、Instagramを開いて行うアクションについて聞いたところ、「フィード」への投稿は全年代で約3割となった。

ここで、差異が見られたのは「ストーリーズ」への投稿だ。10代女性は49.1%と約半数の人が行っているのに対し、20代女性は40.5%、30代女性においては21.2%と年代が高まるにつれてストーリーズへの投稿率が下がる結果となった。

また、「閲覧」に関しては10代、20代女性が7割程度であるのに対し、30代女性は81.4%と他年代よりも1割ほど高い結果となっている。

一方、「ライブ配信」や「DM(ダイレクトメッセージ)」においては、各年代を比較すると10代女性のアクション率が他の年代に比べて高い傾向が見られた。

やはり、こちらの結果からみてもデジタルネイティブである若い女性ほどアプリ使用に対して抵抗が少なく、アプリ内のアクションにおいては高い傾向が伺える。

ただし、「閲覧」といういわば受け身の機能については、年齢が高くなるほど活用率が高くなっているのが特徴的だ。

新機能「IGTV」の視聴率は全年代で1割程度

さらに、日本では2018年6月21日よりダウンロード可能となったInstagramの新機能「IGTV」について調査しているが、その結果としてはIGTV視聴率は全年代でまだ1割程度しかないということがわかっている。(2018年6月29日時点)

また、「IGTVを知らない」と回答した人が全年代で5割となり、調査時点ではインスタユーザーの半数程度の認知度となった。

そこで、新機能のIGTVに関連して「最長60分の動画を投稿するとしたらどんな投稿をしますか?」と聞いたところ

10代女性からは、

  • アクセサリーを作る工程(18歳女性)
  • ファッションコーディネートを紹介する動画 女性(16歳女性)
  • 地元の観光スポットを案内(19歳女性)

20代女性からは、

  • イラストメイキングを紹介する動画(24歳女性)
  • 骨格やパーソナルカラーにあった化粧品紹介する動画(21歳女性)
  • おすすめのカフェ、テーマパークを紹介する動画(24歳女性)

30代女性からは

  • 育児の様子を紹介する動画(32歳女性)
  • おうちインテリアの紹介(30歳女性)
  • 90年代ヒットソングを紹介する動画(31歳女性)

これらの声をみると、10代、20代は自分の趣味や好みの場所などを投稿したいという傾向にあるが、30代になると育児やインテリアといった家庭的なものに変化しているのがわかる。

さらに、最長60分の動画が投稿できる「IGTV」には、芸能人やインフルエンサーも多く投稿していることから、芸能人やインフルエンサーアカウントのフォロー率を調査した。

その結果、全年代で約7割の女性が芸能人・インフルエンサーのアカウントをフォローをしていることが判明した。

この調査では、今後、芸能人やインフルエンサーの投稿を皮切りに「IGTV」の認知度や視聴率が上がっていくと予想している。

最後に、日本ではまだ対応していないものの、ストーリーズ機能に好きな音楽を乗せることができるBGM機能(引用:HYPEBEAST)が実装されたことを受けて、「ストーリーズにBGM挿入ができたらしたいですか?」と聞いた。

その結果、新機能の利用意欲は10代女性が最も高く、53.3%となった。ストーリーズの利用率も10代女性が最も高かったことから、新機能が日本でも実装されたら若年層を中心に利用拡大が見込める結果となったとしている。

やはりデジタルネイティブが新しい機能を抵抗なく、受け入れられる傾向にあることがよくわかる。年齢が高くなるほど、新しい機能に対しての利用モチベーションが低く、なかなか利用のハードルは高くなるのではないだろうか。

※TesTee(テスティー)調べ:https://testee.co

ますます高まる生活におけるスマホの重要度

かつては、TVや動画は固定された装置によって、視聴するものだった。しかし、時代は大きく変わってきている。今回の調査によると、10代女性のおよそ8割がスマホで視聴しているという。

また、ショッピング機能やIGTV、BGM挿入機能などInstagramの新機能についても、彼女たちの利用意欲は高く、今後スマホがわれわれの生活に占める重要性はますます高くなっていくと思われる。

ミレニアル世代に高い人気を誇るInstagramが打つ次の一手は一体どんなものなのかも注目される。

img:TesTee