JR東日本とKDDIは、ポストコロナ社会を見据え、人・機能がともに都心に集中した従来の拠点集約型の都市づくりから、交通と通信の融合により、場所や時間に捉われない多様な働き方やくらしを創出する新しい分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」の実現に向け、2020年12月14日に基本合意書を締結したと発表した。
今後両社は、同プロジェクトに基づくまちづくりのコアシティとなる品川開発プロジェクトの共同推進、分散拠点としてのサテライトシティ(日本各地)の開発、コアシティとその周辺におけるモビリティサービスの開発を検討し、共同事業化を目指すという。
分散型まちづくりの実現に向けた取り組みは以下となる。
1. コアシティ「品川開発プロジェクト」の共同推進
「空間自在プロジェクト」における都市部のモデル地域として、品川開発プロジェクトを共同で推進。
品川開発プロジェクトは、JR東日本が「100年先を見据えた心豊かなくらしづくり」を目指し、2024年度頃のまちびらきに向けて推進している事業。
5Gを前提とした最先端の通信インフラとサービスプラットフォーム (都市OS) を両社で構築することにより、働く人・住む人・訪れる人のくらしと都市機能が連携し、アップデートし続けるまちづくりを目指すとのことだ。
また、警備・清掃・物流・駐車場・防災などの都市機能に必要なネットワーク・インフラサービスの提供を検討するとしている。
2. サテライトシティ(日本各地)の開発
「空間自在プロジェクト」における分散拠点として、都市周辺や日本各地にサテライトシティと分散型ワークプレイスを開発し、交通・通信・街が一体となったサービスを検討。
2021年春以降に、東京と神奈川・埼玉・千葉エリアを対象として、多拠点とつながる分散型ワークプレイスのトライアル拠点を開設し、実証実験を順次実施。
また、移動中においても効率的に働ける環境づくりを目指し、新幹線車両の一部でリモートワーク推奨車両の実証実験を実施するとのことだ。
「空間自在プロジェクト」の実現に向け、さまざまなパートナーと共に新たな価値やサービスを創出する「空間自在コンソーシアム」を創設するとしている。
3. モビリティサービスの開発
品川開発プロジェクトにおいて、街区内の移動をサポートするパーソナルモビリティや荷物自動配送ロボットなどのモビリティサービスの開発、実装を目指す。
また、高輪ゲートウェイ駅から周辺エリアを結ぶ、ラストワンマイルモビリティサービスの提供を検討するとのこと。
現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、生活スタイルや働き方が一気に変革期を迎えている。これは、効率化重視の拠点集約型の社会から、場所・時間に捉われない豊かな働き方やくらしを重視する分散型社会への大きな転換期といえるという。
JR東日本とKDDIは、交通と通信の融合による、場所・時間に捉われない豊かなくらしの創出を目指すとしている。