アシックスは、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組みである「THE FASHION PACT(ファッション協定)」に日本企業として初めて加盟したと発表した。
「THE FASHION PACT」は、2019年8月にフランス・ビアリッツで開催されたG7サミットにおいて、欧州を中心とするファッションおよびテキスタイル業界の32社が、気候変動、生物多様性、海洋保護の3分野で、共通の具体的な目標に向かって取り組むことを誓約したもの。
現在までに60社200以上のブランドが加盟しているという。
同社は、気候変動問題に積極的に取り組んでおり、昨年には、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指し、産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定することを表明した。
現在は、2030年に向けた温室効果ガス排出量削減目標を設定しており、事業所におけるCO2排出量を38%削減、サプライチェーンでのCO2排出量を製品あたり55%削減することを目指しているとのことだ。
また、生物多様性や海洋保護分野においては、2025年までにアパレル・アクセサリーのコットンを100%サステナブルなコットン調達へ切り替えを行っている。
全世界の直営店を対象に、2020年末までにプラスチック製から環境配慮型紙製のショッピングバッグへ順次切り替えを行うなど、バリューチェーン全体を通して使い捨てプラスチックの使用を廃止し、使わざるを得ないものについては、環境配慮素材へ順次切り替えを行っているとのことだ。
同社は、環境問題の解決に向け、ステークホルダーとの連携によるバリューチェーン全体での取り組みに力を入れている。
これまでにも、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の「ファッション業界気候行動憲章」、持続可能なアパレル産業構築を目指す世界的連合「Sustainable Apparel Coalition」など、さまざまな国際的枠組みに加盟し、ファッション産業の環境負荷低減に努めてきた。
また、アシックスは、気候変動など環境分野の情報収集などに取り組む国際NPO 「CDP」から、温室効果ガス排出削減活動や気候変動緩和に向け優れた活動を行っている企業として、2020年12月8日付で、気候変動において「A-(Aマイナス)」の評価を初めて受けたという。
「A-(Aマイナス)」の評価は、世界のスポーツメーカーで最高位となる。
アシックスは、今後も引き続き、事業のあらゆる場面でサステナビリティに配慮した取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。