ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは、日本におけるスタートアップ経済の成長性の新たな先行指標として、スタートアップ企業がWantedlyへ掲載した仕事の募集数に対する応募者数割合をスタートアップ雇用指数「WANTEX」(Wantedly Job Market Index、読み:ウォンテックス)として公開したと発表した。

スタートアップ雇用指数「WANTEX」の定義は以下。

【算出式】「WANTEX」 = (スタートアップ企業が掲載している公開状態にある)募集数 ÷ (スタートアップ企業への)応募者数

Wantedlyはスタートアップ企業とともに成長し、近2年の全マザーズ上場企業のうち57%に利用されているという(2020年11月26日時点)。

世界的には米国、中国を中心にスタートアップ経済が活況を示す中、未来の日本の産業を創る新興企業のトレンドを可視化することで、日本のスタートアップ経済をより一層盛り上げていきたい、という想いからスタートアップ経済の成長性を示唆する新たな先行指標としてスタートアップ雇用指数「WANTEX」を公開したとのことだ。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京都が緊急事態宣言を発令した2020年4月~5月においてWANTEXは微減したが、その後10月に向けて回復していることから、スタートアップ経済全体が受けたコロナショックの影響は限定的なものであったと思われるという。

また、業種別のWANTEX推移を見ると、緊急事態宣言で全業種において減少の傾向が見られたが、2020年6月以降では、特にIT・情報通信、コンサルティングの分野における回復が確認されている。

2020年10月時点のWANTEXの業種別ランキングは以下の通りで、コロナショックからの回復が早かった業界が上位を占めたという。

一方WANTEXが小さい業種においては募集数に対して応募人数が超過しているという状況のため、該当業種の募集は注目を集めることができる状況にあると思わるとのことだ。

さらに、東京都を除いた46道府県におけるWANTEXに着目すると、昨年同月比169%と大幅な成長を見せた宮崎県がトップという結果に。

宮崎県都農町にて「まちづくり」関連事業を行うイツノマはWantedlyを通じて東京からの移住転職者を2020年5月から計6名採用するなど、宮崎県が活況を見せているとのことだ。

また、副業関連の道府県別WANTEXを算出したところ、昨年同月比で136%の伸びを見せた兵庫県がトップという結果に。西日本がランキングの過半数を占めるという結果となった。

ウォンテッドリーは、企業の潜在転職者への認知形成、共感を軸とした人と企業の出会いの創出を提供しながら、入社後の従業員の定着、活躍を支援するエンゲージメント事業を推進している。

今回のスタートアップ雇用指数「WANTEX」の公開を通じて、未来の日本の産業を創るスタートアップシーンの盛り上がりを加速させることで、Wantedlyが「はたらくすべての人のインフラ」となる世界の実現を加速させていくとのことだ。