NTT東日本は、ICTやデジタルデータを活用した新しい分散型デジタルミュージアムのショーケースとして、2020年12月1日から体験型美術展「Digital×北斎」【破章】を開催すると発表した。

新型コロナ禍における新しい文化芸術鑑賞のかたちを示すことにより、地域の文化芸術の魅力発信を通じた地方創生モデルの創出をめざすとのことだ。

NTT東日本は、地域の価値ある文化芸術を発信し地方創生に寄与する取り組みとして、昨年、体験型美術展「Digital×北斎」【序章】を開催。鑑賞した人からは、時間と場所を選ばず地域の価値ある文化芸術を体感することが出来るデジタルミュージアムの魅力や可能性について多くの期待の声が寄せられたという。

一方で、昨今の新型コロナウイルス蔓延により、地域の美術館・博物館が新型コロナウイルス感染防止に配慮した運営にシフトするなど、文化芸術鑑賞の楽しみ方も新しい行動様式に合わせていくことが求められている。

現在、こうした中でも地域の価値ある文化芸術を伝えたい、楽しみたいという声が多く寄せられ、デジタルデータを活用したニューノーマルな文化鑑賞のあり方について、より一層ニーズが高まっているとのことだ。

これらの背景を踏まえ、NTT東日本が保有するICTやアセットを活用し、新型コロナ禍においても時間と場所を超え地域の文化芸術を楽しむことができる分散型デジタルミュージアムのショーケースとして、2020年12月1日から、体験型美術展「Digital×北斎」【破章】を開催するという。

体験型美術展「Digital×北斎【破章】」の概要は以下。

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーEにて、代表的な日本文化芸術の1つである葛飾北斎や歌川廣重の作品等を題材とした体験型美術展を開催。

なお、同美術展は、山梨県立博物館やフランス国立オルセー美術館から、絵画のマスターレプリカの公式認定を受けているアルステクネと協力し開催するとのことだ。

同美術展の主な特徴

  • 高精細技術により再現された所蔵元認定のデジタルデータやマスターレプリカの展示
  • 山梨県立博物館 葛飾北斎 「冨嶽三十六景」 47作品
  • 大阪浮世絵美術館 歌川廣重 「東海道五十三次」 55作品
  • フランス国立オルセー美術館 ゴッホ 「ローヌ川星降る夜」等 17作品
  • 神奈川県立歴史博物館 五雲亭貞秀 「神名川横浜新開港図」等 4作品

美術館・博物館での原画の展示は、これまで傷みやすい等の理由により公開が制限され、照明下や至近距離の鑑賞ができなかったという。

また、高解像度デジタル化においても、素材や絵筆などの微細な凹凸などの質感を再現する事は難しいとされていたとのことだ。

今回の協業パートナーであるアルステクネでは、独自の三次元質感画像処理技術DTIPにより、和紙一本一本の繊維の質感まで再現することに成功している。

地域との連携

同美術展を開催するICC内ギャラリーEと、展示作品とゆかりのある地域の施設や拠点を高速ネットワークで連携させ、より多くの人が地域の日本文化芸術作品に触れることで、時と場所を超えて楽しめる世界を創出していくとしている。

先端技術を活用した新しい体験機会の提供

裸眼VR(ゴーグルなしでバーチャルリアリティを体感できる仕掛け)や3Dダイブシアター(絵画の中に没入するように作品の世界観を全身で体感できる仕掛け)といった先端技術を駆使し、新しい文化芸術鑑賞の体験機会を提供。

裸眼VR
3Dダイブシアター

デジタルデータの高品質な配信・セキュアな集積

同社通信ビルや高速ネットワークの「閉域網でセキュアな環境」・「低遅延」・「耐災害性」という特性を活かし、文化芸術のデジタルアーカイブの活用において求められる「文化財の権利保護」・「滑らかなコンテンツ配信」・「ディザスタリカバリ」等のニーズに応えていくという。

安心・安全な非接触型ミュージアムソリューションの提供

AIカメラによる混雑検知
AIロボットによる案内

全コンテンツ非接触で楽しめる仕掛けや、AIカメラによる混雑検知、AIロボットによるご案内により、新型コロナ禍においても来場者が安心して鑑賞できるミュージアムソリューションの提供に取り組むとのことだ。