画像はネスレ 公式サイトより

食品メーカーのネスレ日本株式会社は、ネットスマイル株式会社が手がけるAI-OCRサービス「AIスキャンロボ」を導入し、50%のコスト削減に成功した。「AIスキャンロボ」を提供するネットスマイルが11月17日に発表した。

「AIスキャンロボ」は、人工知能(AI)を活用した文字認識(OCR)技術のサービス。一般的なAI-OCRでは、表の明細行の1行に1データがある書類は読み込めるものの、多段組など複雑な形式の明細行の読み取りには対応していない。同サービスは、複雑な形式の明細行のある書類が読み込める機能(特許出願中)を搭載しており、管理部門で使用する複雑で多種類の帳票のデータ化できるという。

ネスレ日本は、FAXによる発注書を基幹システムに入力する方法を改善する必要があった。2019年3月にFAXの発注書を読み取り、発注データを基幹システムに連携する標準のツールを導入したが、日本語の読み取り精度が十分でないことや、日本の商習慣に対応できないという課題があったという。

FAXの発注書をデータ化するには、「手動での注文処理のプロセスに多大な時間コストがかかる」「手動操作の間違いによるリスクが高い」「顧客から送られてくる注文書のフォーマットがバラバラ」「注文書へのコードの記載漏れが発生している」など、多くの課題があったとする。

その後、多くのAI-OCRツールを比較検討した結果、ネットスマイルの「AIスキャンロボ」の導入にいたったとしている。

その結果、導入前の手入力で実施していたときは1件当たりの処理時間は約5分だったが、AIスキャンロボ導入後は1件あたり約2.5分に短縮できたという。また、ネスレ日本は月間3000枚のデータを読み取っている。すべてあわせると、月に250時間かかっていたが、導入後は月に125時間と半分で済むようになったとのこと。さらに、注文処理に関わる時間を半減も月250時間から、125時間に削減できたとする。

>>ニュースリリース

「AIで残業がなくなった」月間180時間の労働時間を削減したAI導入事例が美しすぎる

Ledge.ai編集部ではAIを活用し、コストを削減したさまざまな事例を紹介している。

少し前の記事になるが、月間180時間の労働時間を削減したオーダーメイドスーツ・シャツを扱うスタートアップ「FABRIC TOKYO」の事例は、とくに注目度が高かった。気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。