ローソンエンタテインメント、ぴあ、イープラスの3社は、共同で組合(共同事業体)を組成し、イベント主催者(プロモーター)向けに“チケット票券業務の共通基盤”を開発して提供すると発表した。
共通基盤のサービス開始は、2022年春を目標としているとのことだ。
これまでイベント主催者は、上記3社などのチケットエージェンシー(プレイガイド)各社にチケット販売を委託する際、イベント情報や販売方法、チケットの価格、席番等の情報を各社ごとに個別に納品してきた。
また一方、各チケットエージェンシーも、そうした各種チケット販売情報を自社のシステムに票券登録し、各社ごとにその内容確認を主催者に再び行う、という非常に煩雑な作業を行ってきたという。
現状では、上記の各種情報の授受は電子化されておらず、主にメールやファックスによって行われるため、主催者とチケットエージェンシー双方に、大きな業務負荷が生じているという。
加えて、新型コロナウイルス感染症により、ライブ・エンタテインメント市場は甚大な影響を受けている。
業界全体の業務の効率化が急がれる中、今後のニューノーマルやDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応に向け、イベント主催者と各チケットエージェンシーが共通して情報伝達と情報処理を行える「共通基盤(イベント情報管理システム)」を開発。
サービスを提供することを目的に、ローソンエンタテインメント、ぴあ、イープラスの3社は、新たに組合「TA プラットフォームソフトウェア共同事業体」を2020年10月1日付で組成したとのことだ。
同組合では、3社で計8億円を拠出し、業界の「共通基盤」となるシステム開発を行うとともに、3社が同割合で出資する「TAプラットフォーム」がサービスの推進主体となり、主催者向けのチケット販売および施設管理ソリューションを提供するという。
なお、この共通基盤は、他チケットエージェンシーや他チケットソリューション提供事業者も利用できる「オープンプラットフォーム」として開発される。
チケットエージェンシー3社が、音楽・演劇・スポーツ・イベント等の幅広い分野で培ったチケット流通の知見を最大限に活用し、使いやすく分かりやすい、基本メニューを無償で活用できるシステムを構築することで、イベント主催者業務の大幅な効率化に貢献したい考えであるとのことだ。
今後も3社では、業界団体や関係各社と常に連携し、一人でも多くの人がライブやスポーツ、ステージなどのエンタテインメントを楽しめるよう、エンタテインメント業界の発展と市場の拡大に尽力していくとしている。
組合概要は以下。
- 名称
TAプラットフォームソフトウェア共同事業体 - 組合員
ローソンエンタテインメント、ぴあ、イープラス、TAプラットフォーム(システム運営/管理) - サービス内容
イベント主催者向け“チケット業務の共通基盤”の開発、提供
→主催者とチケット販売事業者(プレイガイド)間に「情報共通基盤」を開発
→手動対応(手動で実施している管理面など)からシステムを介した自動化へ
主催者業務を効率化するソリューションおよび電子配券プラットフォームの提供 - 料金
共通部分(基本メニュー)のサービスは無償提供 - 特徴
3社以外のチケット販売会社も接続可能なオープン設計を採用 - サービス開始
2022年春