パナソニックと小田急百貨店は、人々の安心・安全な外出を可能にする「安心ゲートソリューション」の実証実験を10月30日に開始すると発表した。
非接触で測温を行いながら除菌ができる「安心ゲート」を小田急百貨店新宿店の出入口3箇所に設置。
今後は、施設内の混雑状況データを収集して、来訪者に利用できる場所、時間帯、ルートなどの情報提供を行い、密を回避しながら移動ができる安心・安全な移動体験の実現を目指すとのことだ。
新宿駅周辺は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い38.5%の来訪者が減少し、現在もエリア内の経済活動において大きな影響を受けているという。
一方、消費者の「外出自粛等の解除後にやりたいこと」として「デパートや店舗での買い物」というニーズは27.6%と高く、ECサイトによる購買体験が普及した現代においても、実店舗におけるリアルな買い物体験が求められているとのことだ。
パナソニックは、人の生活圏に焦点をあて、人を起点に「移動」のあり方を見つめなおすモビリティソリューションを通じて、人やコミュニティを元気にすることを目指している。
移動や外出に対する不安を感じる人が多い中、混雑度検知や衛生管理などの技術を駆使したソリューションを提供し、安全な移動を可能にしていくという。
また、小田急百貨店をはじめとした小田急グループでは、同実証の「安心ゲート」で収集した商業施設内の混雑状況に加え、駅構内の混雑情報や列車の混雑予報などを組み合わせて、来訪者に密を回避しながら移動ができる情報をシームレスに提供していくことを目指しているとのことだ。
こうした社会を目指して、両社が技術やノウハウ、フィールドを持ち寄ることで、今回の実証実験に至ったという。
ウィズコロナ時代の安心・安全な移動を、街インフラで支えるソリューションの社会実装を目指し、取り組みを加速していくとしている。
パナソニックの安心ゲートソリューションは、エリア一帯に設置した安心ゲートなどから、さまざまな施設の混雑状況データを収集。鉄道などの混雑情報とも組み合わせ、来訪者に密を回避するための場所、時間帯、ルートなどの情報を提供。
同実証の安心ゲートは、店舗などの出入口に設置することで、完全非接触で除菌、測温を行うとともに、混雑度を検知。
1. 手指や足元の除菌
スプレーによる手指の除菌に加え、微細なミスト状の電解除菌水を足元に噴射。
2. 自動測温
カメラで顔の位置を検出し、その表面温度を測定。
3. 混雑度検知
店舗や施設の内の混雑状況を検知するとともに、来訪者の属性(年齢・性別など)の傾向を把握。
実証期間:2020年10月30日から
設置場所:小田急百貨店新宿店 中央口/モザイク通り口/カリヨン北口 予定
機能は以下。
混雑状況データ管理・統合
カメラ画像やGPSをもとに店舗や駅、列車・バスなど交通機関の混雑状況データを収集・統合することで、該当エリア全体の混雑状況を可視化。
密回避情報の提供
来訪者の混雑回避行動を促すために、密を回避しながら移動ができる場所、時間帯、ルートなどの情報提供を行う。
顧客サービス支援
店舗・施設に対して、来訪者の年齢、性別、滞在時間、店内回遊ルートなどの情報を可視化して提供することで、より良い売り場、サービス設計を支援。