関西電力、IMTEエンジニアリング(以下、IMTE)との共同出資で設立した「海幸ゆきのや合同会社」(以下、海幸ゆきのや)において、陸上養殖方式での魚介類生産・加工販売事業に参入すると発表した。
同社は、イノベーションラボから事業化する4社目の会社であり、同社として農業・食料領域における事業化は初めてとなる。
海幸ゆきのやは、クルマエビに匹敵する旨味を有するバナメイエビの生産・加工販売事業を行い、「幸えび」のブランド名で、食品加工会社や飲食店等への販売を予定している。
同事業は、完全閉鎖循環式の陸上養殖方式を採用しており、海洋汚染をはじめとする環境負荷低減や、世界的な魚介類需要の高まり、漁獲規制強化への解決策としてSDGsの観点からも、社会課題の解決に寄与するものだという。
加えて、水質・温度・給餌等の管理・制御にIoT、AI、画像解析といった同社グループのDX技術を、また、育成過程での生残率改善・生産性向上に当社の技術研究成果を、活用することが期待できる。
今後、静岡県磐田市に養殖用プラントを新設する予定であり、2022年1月生産開始、同年5月の販売開始を目指すとのことだ。
新設のプラントが完成するまでは、IMTEが保有するプラント(新潟県妙高市)におけるOEM生産によるバナメイエビを、11月上旬から販売する予定としている。
中長期的には、魚介類生産・加工販売のみならず、事業ノウハウを活用したコンサル支援等について、国内に留まらず海外も視野に、事業領域を拡大していくとしている。