楽天モバイルとTelefónica, S.A.(以下、テレフォニカ社)は、OpenRAN、5G コア、OSS (Operation Support Systems)に関する技術推進に係る覚書(MoU)を締結したと発表した。
今回の合意のもと、両社は以下の分野において連携していく予定としている。
- 無線アクセスネットワーク(RAN)におけるAI(人工知能)の役割の研究や、OpenRANアーキテクチャに関連する実証実験等の実施
- モバイル通信業界の取り組みの一環として、開発工数の低減・新たな価格帯・ソフトウェアベースのRANのメリットなどを活用した、両社による最適な5G RANアーキテクチャとOpenRANモデル、およびサービスの提案
- オープンインターフェースに基づいた、コスト効率の高い5Gエコシステムを構築し、国際ローミングによる5Gの展開を加速
- CU (Centralized Unit)、DU (Distributed Unit)、RRU (Remote Radio Unit)(注)など、必要なネットワーク機器やソフトウェアコンポーネントを含む、OpenRANのハードウェアとソフトウェアの調達量の拡充やスケールメリットを実現するための共同調達スキームの開発
また、両社は、楽天モバイルが日本国内のモバイルネットワークおよび「Rakuten Communications Platform」において用いる4G/5GコアやOSS技術などにおいても連携していくとのことだ。
楽天モバイル代表取締役副社長兼CTO(最高技術責任者)のタレック・アミンは、以下のように述べている。
「OpenRANを推進するというビジョンのもと、テレフォニカ社と協力できることを嬉しく思います。
今回の連携により、世界中の通信事業者へ安全性や信頼性を確保しながら、コスト効率の高いクラウドネイティブモバイルネットワークアーキテクチャを提供する『Rakuten Communications Platform』の開発も共同で進めていきたいと考えています」
テレフォニカ社CTIO(Chief Technology & Information Officer)のEnrique Blanco(エンリケ・ブランコ)は、以下のように述べている。
「当社は、通信ネットワークがオープンアーキテクチャにより、エンドツーエンドで仮想化していくことになると確信しています。OpenRANはその中でも重要な技術の一つです。
OpenRANの柔軟性やシンプルさによって、サプライヤーのエコシステムが変わり、中長期的には、現在の5G産業にも革新をもたらすでしょう。
同時に、オープンで仮想化されたネットワークは、通信事業者の新しい事業モデルにつながると考えます。
当社と楽天モバイルは、今回の合意に基づき、OpenRANアーキテクチャの性能や実現可能性を評価・実証し、また実用化していきます」