国際協力機構(JICA)が、セルビア共和国・ベオグラード市にて、技術協力プロジェクト「ベオグラード市公共交通改善プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名したことを発表した。
同事業は、ベオグラード市民の主要な移動手段である公共交通機関(バス、トラム、トロリーバス)の運行の効率化や運賃収受の改善などを行うもの。
公共交通部門の市財政への負担軽減を図り、環境基準を満たした車両設備の更新、電気バスの導入等を促進することで、同市が目標とする環境に優しい公共交通システムの構築を目指し、SDGsゴール11に貢献するとしている。
2002年、日本はベオグラード市にバスを無償資金協力で供与。今も市民の足として親しまれているという。
しかしながら、地方部や他国からの移住により、都市部の拡大や人口の増加が進む中、市の公共交通部門の財政は厳しく、適切な交通・路線計画の整備や車両・施設の更新が同市の課題となっているとのことだ。
また近年、同市は環境保全を重要課題とし、電気バスや新たな交通システムへの移行を決めたが、それらに必要な財源の確保のためには、運行の効率化や運賃収受率の改善を図ることが求められているという。
同事業では、日本の長年の公共交通の運行管理におけるノウハウの提供のみならず、欧州近隣地域の公共交通プロジェクトでの知見活用も検討していくとのことだ。