OECD(経済協力開発機構)と環境省は、6月11日~12日に共催したワークショップ「海洋プラスチックごみの削減:現状の政策の集約と長期的目標への道筋の開拓」の結果・成果を発表した。

2019年6月に開催されたG20大阪サミットにおいて、日本は2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を提案し、これが首脳間で共有されたという。

今回のワークショップは、国際・国内・地域レベルの海洋プラスチックごみ問題に対処するための政策の集約、教訓の提示および長期目標、特に「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の達成に向けた複数のシナリオの議論を目的として開催。

基調講演では、世界のプラスチックごみの海洋流出量の推計で知られる、ジョージア大学のジャンベック教授が基調講演を行い、国内・国際の政策は、OECDや国連環境計画(UNEP)、各国政府から国内・国際の政策的取組が紹介された。

また、長期目標に関連した専門家によるプレゼンテーションの際には、参加者は大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの達成に必要な長期的な政策シナリオについても議論。

環境省からは、小野水・大気環境局長が司会として参加したとのことだ。

同ワークショップを通じ、海洋プラスチックごみの将来予測や考え得る長期的な政策シナリオ、海洋プラスチックごみゼロの達成に必要な関連資金について、更なる取組が必要であることが示されたという。

また、多くの参加者が大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの支持を表明し、デザインから清掃までプラスチック製品のバリューチェーン全ての段階に対処する一連の政策を含め、包括的なライフサイクルアプローチの必要性が明らかになったとしている。

さらに、マイクロプラスチック(マイクロビーズ、紡織繊維、タイヤ粉塵等)もプラスチックの重要な流出源であり、食物連鎖に入り込む可能性についてとりわけの懸念が示され、一連の政策が必要とされたとのことだ。

なお、現在、海洋中の(マクロおよびミクロの)プラスチックの量を測定し監視するための標準化された手法は存在しないとされており、モニタリング手法の調和は、研究結果のより良い比較と監視を可能にするために必要であるという。

また、政策研究は、各国が異なる問題を抱えていることに注目し、特に途上国における効果的な政策介入の特定に貢献しなければならないとしている。