清水建設は、R&Dの強化ならびに事業領域の拡大に向け、国内外のベンチャー企業やベンチャーファンドを対象に100億円を上限とする出資枠を設定したと発表した。
これにともない、フロンティア開発室に出資先候補の評価・選定、出資後のモニタリングを行うベンチャービジネス部、出資可否の迅速な意思決定を行う審議機関としてベンチャー投資委員会を設置したという。
出資枠の設定は 昨年策定した中期経営計画〈2019~2023〉の重点戦略「次世代の建設技術や地球規模の課題解決型新規事業への投資」に基づくもの。
主に技術開発・事業化段階(アーリーステージ)のベンチャー企業、あるいはベンチャーファンドに出資することで、将来性のあるベンチャー企業との協業、オープンイノベーションによる建設ICT技術・ロボット・AI等の先端技術の導入、新規事業領域のビジネスモデルの構築、当該企業との技術提携・業務提携などを目指すという。
同社は、高性能無線通信技術の開発ベンチャーとして注目されている「PicoCELA」を第一弾の出資先とし、開発資金ニーズに応え、近く出資するとのことだ。同社との協業として実施する技術開発により、工事現場のICT基盤の高度化に取り組むという。
同社は今後、ベンチャービジネス部とシリコンバレーにおける同社拠点である「シミズシリコンバレーイノベーションセンター(駐在員事務所)」を通じ、同社事業に資する有望な国内外のベンチャー企業に直接、あるいはベンチャーファンド経由で機動的な出資を行い、技術実証やビジネスモデルを創出する戦略的なオープンイノベーション活動を展開していくとのことだ。