ディープラーニングやビッグデータなどの活用が広がっていることからもわかるように、様々なデータを効率よく収集し活用、管理することは現代社会において非常に重要だといえるだろう。

たとえば、新規ビジネスにおいて出店したい場合、出店候補地の現地調査や物件周辺の商圏データを収集する必要がある。今回、このようなニーズに応え、技研商事インターナショナル株式会社はインターネットブラウザだけで商圏分析が可能なGIS(地図情報システム)、「GeOweb(ジオウェブ)」の提供を開始した。

商圏の各種ドキュメントをクラウド上で一元管理・共有

GeOwebでは、出店候補地の地図上への登録から来店手段(徒歩、自転車、自動車)などによる商圏の設定、商圏内の人口や世帯などのデータ取得、表やグラフでのデータの表現までを、インターネットブラウザだけで実施できる。現地での立地調査時にタイムリーに商圏特性を把握し、調査内容や物件に関する各種ドキュメントをクラウド上で一元管理・共有することが可能になる。

店舗開発における様々な経験と客観的なデータをGeOwebでタイムリーに管理・共有することにより、チェーン企業の店舗開発業務をデータドリブンに進化させるという。

Google Maps機能や競合店舗の分析も

具体的な特徴としては、まずGoogle Mapsの採用がある。これにより、航空写真、ストリートビュー、交通情報、距離・面積計測、ルート検索など、使い慣れたGoogle Mapsの機能を利用できる。


また、立地調査の内容を現地で簡単登録できる。出店候補地の物件情報を地図から登録し、周辺情報や競合店舗との位置関係など現地での調査内容をその場で反映できる。さらに、候補物件の評価、査定状況、付帯する各種ドキュメントのクラウド上での一元管理ができる。


商圏ポテンシャルを把握することができることも大きな特徴だ。来店手段による商圏を設定し、豊富な統計情報(人口や世帯など)から
商圏ポテンシャルを表やグラフで可視化。顧客ターゲットの分布を地図上で把握できる。

また、上の図のように競合店舗の分析もできる。更新性の高いチェーン店データを利用して、競合店舗との位置関係や出退店状況をタイムリーに把握できる。

パーソナルデータは価値ある「資産」

ところで、データというとFacebookの問題や、GDPRなどで最近話題なのがパーソナルデータだ。

パーソナルデータは、企業が消費者に関するインサイトを得るために非常に重要な役割を果たしている。また、パーソナルデータそのものがプロダクトとして売買されている場合もあり、企業側にとっては価値ある「資産」と認識され、有効活用されているのだ。

では、これからの働き手の中核となるミレニアル・Z世代はパーソナルデータに対してどのような認識を持っているのだろうか。アナリティクス専門のSAS社が実施した調査で、これらの世代における興味深い傾向が明らかになった。この調査は英国在住の16〜34歳のミレニアル・Z世代2,000人を対象にしたものだ。

調査結果では、2,000人のうち69%が「パーソナルデータを自分の生活を向上させるために活用するもの」と捉えていることが明らかになった。つまり、パーソナルデータを企業などに提供はするものの、「それには何らかのリターン/ベネフィットが伴うべき」と考えている。リターン/ベネフィットを考えずに無償でデータを提供してもよいと考えているのは12%のみだった。

このように将来何らかのメリットが期待できる分野では、データ共有に肯定的な考えが半数以上となったが、ソーシャルメディアに対しては信頼などの問題で28%という低い数字にとどまった。これまでソーシャルメディアによる個人データの無断利用や第3者への無断共有などを目の当たりにしたユーザーが多く、積極的なデータ共有を控えたいと考えているようだ。

この調査結果は、ミレニアル・Z世代の多くが自分のパーソナルデータに対するコントロールやオーナーシップを持ち、それらをうまく活用してメリットを生み出したいと考えていることを示唆している。

データの有効活用のニーズに合ったサービス

かつては、データの取集と言えば、歩き回り、多くの人に会い、聞き、つまり「人力」に頼ったものだった。しかし、テクノロジーの進化はこれを大きく変えた。

今回の「GeOweb」は、Webに接続さえできれば、簡単に出店候補地の地図上への登録から、商圏の設定、商圏内の人口や世帯などのデータ取得などが一気にできてしまう。様々なデータを効率よく収集し活用、管理するという今の時代のニーズが生み出したサービスだろう。

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