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デジタル技術が向上することで、今やスマートフォンで動画を閲覧することが普通の時代となった。しかし、そこには回線速度などの問題もあるだろう。今後、さらなるデジタル社会が進む中で、情報通信量は格段に増えて行くはずだ。
これに対応するため、次世代の移動通信システム「5G」の導入実現が期待されている。カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調査によると、5Gスマートフォンの出荷台数は2021年までに255%成長し、ほぼ1億1,000万台に達する見込みだという。
今回は調査結果をもとに今後の5Gスマートフォンの予測を紹介する。
次世代の通信技術「5G」とは
まず、「5G」とは何だろうか。5Gとは、第5世代移動通信システムのことで(2018年現在は2G/2.5Gが主流)規格の標準化が進められている次世代の通信技術である。今後の情報通信の高速化、大容量化には欠かせない技術であるだけではなく、社会のスマート化のベースになるインフラ技術として期待されている。
IHS Markit Technologyによると、4Gと比較してピーク速度で10倍、システム容量で1,000倍、接続機器数で100倍となることが条件であるという。
総務省によると、世界の主要国・地域において、世界各国で5Gの早期実現に向けた取組が進められているという。日本では「第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)」が設立されている。
グローバルの携帯電話事業者による業界団体GSMAは、2020年以降グローバルの5G回線数は約5年で全世界で11億回線に達すると予測。全モバイル回線に占める割合は約3割に達するとしている。
また地域別では、半数以上がアジア地域で普及し、残りには欧米地域を中心に普及していくことが見込まれている。
このような期待を受け、総務省は2020年の5G実現に向けて、研究開発・総合実証試験の推進、国際連携の強化、5G用周波数の確保といった取組を進めている。
2017年度からは、5Gの実現による新たな市場の創出に向けて、さまざまな利活用分野の関係者が参加する6つの実証プロジェクトを地方でも開始している。
鍵を握るのは米国、韓国、中国、日本の5Gインフラの開発
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調査では、世界の5Gスマートフォンの売り上げは2021年までに225%の伸びを示し、ほぼ1.1億台に達すると予測した。そのカギを握るのは、米国、韓国、中国、日本における5Gインフラの開発とスマートフォン売り上げの成長だという。
その一方で短期的には成長の障害となる課題があるが、スタンドアローン5G規格の制定を機に市場は一気に成長すると予測している。
スマートフォン市場全体について、同社リサーチディレクターのPeter Richardson氏は下記のようにコメントしている。
「2018年から2021年にかけて、スマートフォン端末市場は減速しCAGR 1~2%の見通しである。これは市場が飽和したことと、製品の進化が市場を刺激するほどではないこととによる。5G端末はシェアを得ていくだろうが、全体として移行はゆっくり一定のペースで進みそうだ。5Gのビジネスケースと5Gのインフラが確立できたら、売り上げは拡大するだろう。」
自動運転にも欠かせない5G
5Gに期待がかかるのは、スマートフォンだけではもちろんない。たとえば、コネクテッドカーの接続技術として欠かせないものと期待されている。
Counterpoint社のIoTトラッカーサービスの最新の調査によれば、世界のコネクテッドカー市場は2020年までに270%成長し、接続機能を搭載して出荷される乗用車は、2018年から2022年の間に1.25億台に達する見通しであるという。
これに欠かせないのが5Gであり、その普及に関しては日本と韓国が市場のけん引役となる可能性があると同社では予測している。
5Gは我々の生活をどう変えるか
この調査によると、まずは5Gのインフラ構築や対応するスマートフォンの高機能化が先のようだ。
しかし、スマートフォンや自動運転だけではなく、ICT時代のIoT基盤として世界各国で早期実現が期待されている。
この予測では、2021年までに5Gスマホは1億1,000万台に達するというが、2021年と言えばあと3年だ。その時、我々の生活はどのように変化しているのだろうかの予測をしつつ、ビジネスの傾向を探ることが重要になってきそうだ。