NTTドコモ、大阪「なにわ淀川花火大会」で通信混雑の自動調整を実証 3つの周波数帯を活用し安定通信を確認
NTTドコモは、2026年10月に開催された「第38回なにわ淀川花火大会」で、ノキア製SONシステム「MantaRay SON」に搭載されたMLB(Mobility Load Balancing:モビリティ負荷分散)機能を用いて、混雑状況に応じて複数の周波数帯間および基地局間の通信量を自動で調整する実証実験を実施したことを発表した。
同実験の結果、通信が集中する時間帯でも特定周波数帯への通信量の偏りを解消し、安定した通信速度を維持できることを確認したとのことだ。

花火大会などの大規模イベントでは、限られた時間・場所に多くの人が集中し、スマートフォンによる動画の視聴やSNSの利用などにより、一時的に通信量が極めて多くなる。
このような環境では、特定の周波数帯に通信が偏り通信速度が低下する一方、ほかの周波数帯には空きがあるなど、複数の周波数帯を最大限に活用できないという課題があったという。
MLB機能は、各基地局および周波数帯の通信量を継続的に把握し、混雑状況に応じてスマートフォンなどの通信機器が接続する基地局や周波数帯を自動で調整。これにより、大規模イベントの会場や都市部など通信量が刻々と変化する場所でも、複数の周波数帯を効率的に利用できるとしている。
同実証では、第38回なにわ淀川花火大会の会場に設置した3.5GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯の3つの周波数帯(合計280MHzの帯域幅)に対応する無線装置Massive MIMO(Tri-Band Massive MIMO)を対象にMLB機能を適用。
その結果、各周波数帯の通信量を自動で最適化することで、特定の周波数帯に通信量が偏ることなく、エリア全体で安定して通信できることを確認したとのことだ。

今後は、スタジアムなどの大規模施設への導入を進めるとともに、都市部への展開も検討する予定だとしている。
同社は引き続き、SONをはじめとするネットワーク自動化技術と無線装置の高度化を組み合わせ、2027年中に通信事業者の国際的な業界団体であるTM Forumが定める「自律型ネットワーク レベル4」に対応するネットワークの実現をめざすという。
利用状況の変化に柔軟かつ迅速に対応できるネットワークの構築を進め、より安定した通信サービスを提供していくとのことだ。
◼️同実証概要
実施日:
2026年10月17日
実施場所:
第38回 なにわ淀川花火大会 会場周辺(大阪府)
検証内容:
合計280MHzの帯域幅を持つTri-Band Massive MIMO(3.5GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯)にMLB機能を適用し、通信量を自動で調整。また、花火大会会場の通信量が最も多くなる時間帯に、通信速度を測定。
検証結果:
Tri-Band Massive MIMOによる物理的な設備対策とMLB機能で特定の帯域への偏りを解消したことで、混雑時間帯でも下り約370Mbps、上り約31Mbpsの安定した通信速度を確認し、大規模イベント会場での快適な通信環境を実現。