2026年1-8月の「保育園」倒産・廃業が前年同期比の1.5倍に増加 3年連続で最多更新、地方の園で消滅相次ぐ
帝国データバンクは、「保育園」の倒産・休廃業解散における発生状況について調査・分析を実施し、結果を公表した。
◼️保育園の倒産・廃業、3年連続で最多更新へ
2026年1-8月に発生した「保育園」運営事業者の休廃業・解散(以下「廃業」)は30件発生し、前年同期(20件)から10件・1.5倍となった。
また、倒産(負債1000万円以上、法的整理)は6件発生し、同期間では累計で過去最多となる計36件の保育園が消滅。子供の減少による園児獲得競争の激化や保育士不足、運営コストの上昇といった三重苦に直面し、事業継続が困難となる保育園が増加している。
2026年に発生した保育園の倒産・廃業のうち、首都圏・京阪神・中京以外の「地方」が占める割合が7割超に。5割を下回っていた10年前の2016年(47.1%)に比べて大幅に上昇しており、地方における園児獲得競争が一段と激化している様子がうかがえる。

保育園など小学生未満の子供「預かり」を巡っては、2019年以降、政府による幼児教育・保育の無償化に加え、「こども誰でも通園制度」の実施などで保育園利用のハードルが下がった。
そのため、全体的な少子化が進む一方で、共働き世帯の増加やコロナ禍後の出社回帰により、延長保育、休日保育、一時預かりに対する需要が局地的に急増。
一方で、保育士の退職や採用難により配置基準を満たせず、自主的な定員枠の縮小や預かり制限を余儀なくされ、機会損失による減収に直面しているケースは少なくない。
加えて、自治体による待機児童の解消施策なども進展した結果、異業種からの参入もあり、一部地域では保育需要に対して保育施設数が過剰となる傾向がみられる。特に人口減少が著しい地方では園児獲得競争が激化しており、少子化の影響を強く受けた保育施設の撤退が増加。
また、近年進展する「認定こども園」への移行も、保護者の選択肢拡大を通じて保育施設間の競争に影響を与えている可能性も。従来型の保育園は、制度上「親の就労」が預かりの必須要件である一方、こども園は「就労の有無に関わらない受け入れ」も可能で、最初からこども園を選ぶ保護者も多い。
特に3歳児以降はより「教育的なカリキュラム」を求めて、幼稚園やこども園へ転園する動きが加速している。結果として、従来型保育園は単価や配置基準の面で採算が見込めた「3〜5歳児クラス」の定員割れを起こしやすくなっていることも、収益バランスの悪化を招く要因となっていると同社は考察している。
【調査概要】
集計期間:2026年8月31日まで
集計対象:倒産;負債1000万円以上の法的整理
休廃業・解散:特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業(休廃業・解散とは、倒産(法的整理)を除く)
<参考>
帝国データバンク『「保育園」の倒産・休廃業解散における発生状況』