企業の約7割が「シャドーAI」のリスクに直面 従業員の無断利用は把握・管理だけでは防げず
INDEX
ISOプロは、企業の経営者・役員・情報システム部門従事者を対象に、「超高性能AIの普及に伴うシャドーAIの実態とAIガバナンス」に関する調査を実施し、結果を公表した。
◾️「Claude Mythos」級の超高性能AI、期待の裏で多数の企業のガバナンス不全が浮き彫りに
はじめに、「自社で正式に導入しているAIツールの性能レベル」について尋ねたところ、約7割の企業が標準的なAIを導入しており、業務でのAI利用がすでに定着しつつあることがうかがえた。
さらに、約4割の企業が「超高性能AI」を導入していることから、定型業務の効率化にとどまらず、より高度で複雑な業務にもAIを活用している状況が見て取れる。
また、「標準的なAI」「特定の業務や用途に特化したAI」と回答した人に「『Claude Fable 5』や今後登場する『Claude Mythos』などの次世代の超高性能AIについての今後の導入方針」を尋ねたところ、大きなビジネスチャンスとして導入を検討・予定している企業が約2割存在する一方で、約4割の企業が関心を持ちつつもリスク管理の懸念から足踏みしている状況となった。
さらに、リスクや脅威から現時点で導入予定はないとする声も一定数あり、超高性能AIへの期待以上に、セキュリティやガバナンスへの不安が導入の大きな壁になっていることがうかがえる。

次に、「超高性能AIには、どのようなメリットがある(期待できる)と思うか」と尋ねたところ、「定型業務の自動化による業務効率化(44.1%)」と回答した人が最も多く、「複雑な業務プロセスの自律的な実行(AIエージェント)(43.1%)」「社内データの高度な分析・将来予測(39.8%)」となった。
高い期待が寄せられる一方で、導入にあたってどのようなリスクが想定されているのか、「超高性能AIには、どのようなリスクがあると思うか」と尋ねたところ、「AIによる誤った判断・誤情報の生成(35.8%)」と回答した人が最多に。
次いで「機密情報・個人情報の漏えい(34.2%)」「AIの自律的な誤動作・制御不能(30.9%)」と続く。

こうしたリスクが存在する中、企業内のルール整備はどの程度進んでいるのか。
「超高性能AI(エージェント型AIなど)の業務利用を想定したルールやガイドラインをどの程度整備しているか」と尋ねたところ、「最新のAIも想定したガイドラインがあり、十分対応できる」と回答した企業は約2割にとどまる結果に。
一方で、「ガイドラインはあるが、最新のAIには十分対応できていない」が約4割と最も多く、「最低限の利用ルールはあるが、詳細なガイドラインはない」という回答も約2割となり、何らかのルールを設けている企業は多いものの、最新技術の進化スピードに社内の体制整備が追いついていない現状がうかがえた。

◾️シャドーAI最大の要因は「業務効率化」―利用状況を把握していても約7割が「無断利用の発生やリスク」を抱える実態
「自社におけるシャドーAI(従業員による未許可AIの業務利用)の発生状況と、把握・管理体制」について尋ねたところ、「把握・管理できており、大きな問題はない」とする企業は少数にとどまった。
また、利用状況を把握しているものの「一部シャドーAIが発生している」と回答した企業が約4割、「十分把握できておらず、発生している可能性がある」との懸念を示す企業も一定数存在。
多くの企業が従業員のAI利用を把握できてはいるものの、未許可での利用を完全に防ぐことは難しく、多くの企業でシャドーAIが発生している現状がうかがえる。
「従業員が会社に無断で個人のAIを利用してしまう要因は何だと思うか」と尋ねたところ、「業務効率を上げたい(40.1%)」と回答した人が最多で、「最新のAIをすぐ使いたい(32.1%)」「社内ルール・ガイドラインが不十分(28.9%)』と続いた。

現場のニーズが多様化する中で、企業は今後の管理体制についてどう捉えているのか。
「超高性能AIの普及により、企業は従業員による未許可AIの業務利用を適切に把握・管理できると思うか」と尋ねたところ、約7割が「十分できると思う(18.3%)」「ある程度できると思う(50.2%)」と回答。
前問で現状でも「利用状況の把握はできている」という回答が約7割だった結果とも一致している結果に。
しかし、実態として「利用状況の把握はしていても、大きな問題はない」としている企業は25.3%にとどまるという前問の結果を踏まえると、「状況を把握することはできても、無断利用そのものを防ぐことはできない」という現状がうかがえる。

◾️AIガバナンス構築、対策の切り札として国際規格「ISO42001」に注目集まる
利用状況を把握するだけでなく、無断利用を防ぐための「実効性のあるコントロール」が求められる中、企業はAIの進化スピードに対して、自社のガバナンス体制がどれだけ追従できていると評価しているのか。
「最新AIの進化スピードに対し、自社のAI利用ルールやガバナンス体制は十分対応できていると思うか」と尋ねたところ、約7割が「十分対応できている(15.4%)」「ある程度対応できている(50.9%)」と回答。
最後に、「今後、シャドーAI対策やAIガバナンス強化のために、自社で取り組みたいもの」について尋ねたところ、「既存ガイドラインの定期的な見直し・厳格化(46.1%)」と回答した方が最も多く、「社内ルール・利用規程の新規策定と整備(42.9%)」「ISO42001(AIマネジメントシステム)などの国際規格の取得(33.1%)」となった。
多くの企業が、「既存のルールの見直し」や「利用規程の新規策定と整備」といった制度面からのアプローチを重視していることが示された。

【調査概要】
調査期間:2026年7月22日~2026年7月23日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,023人
調査対象:調査回答時に企業の経営者・役員・情報システム部門従事者と回答したモニター
調査元:ISOプロ
モニター提供元:サクリサ
<参考>
ISOプロ『「超高性能AIの普及に伴うシャドーAIの実態とAIガバナンス」に関する調査』