飲食料品の値上げ、2026年も1万品目突破へ 中東情勢由来は22.7%、6月は1078品目が価格改定
帝国データバンクは、「食品主要195社」の価格改定動向調査を実施し、2026年6月以降における飲食料品の値上げ動向と見通しを公表した。
調査によると、主要食品メーカー195社における2026年6月の飲食料品値上げは1078品目となった。値上げ1回あたりの平均値上げ率は14%だったという。単月の値上げ品目数が1000品目を超えるのは2026年4月以来2カ月ぶり。前年同月の1940品目と比べると半数程度にとどまった一方、前月の84品目からは約13倍に増加した。
6月の値上げを食品分野別でみると、「調味料」が450品目で最多となった。香辛料やふりかけ類が中心だったという。次いで「加工食品」が304品目となり、納豆製品や缶詰、即席麺などが対象となったとのことだ。
また、2026年通年の値上げ品目総数は、1月から10月までの判明分で9361品目となった。帝国データバンクによると、早ければ6月中にも調査開始以来5年連続となる年間1万品目突破が判明する見通し。
一方で、2025年5月末時点の1万6224品目と比較すると、予定分を含めて前年比4割減のペースで推移しているとのことだ。しかし、夏以降は値上げ品目数の増加が見込まれており、7月は2269品目と4月以来3カ月ぶりに単月2000品目を超える見通しで、2025年12月以来7カ月ぶりに前年同月を上回るという。8月は849品目、9月は580品目が予定されており、今後さらに増加する可能性があるとしている。

2026年の累計値上げ品目数を食品分野別にみると、「加工食品」が3029品目で最多となった。冷凍食品やパックごはん、缶詰、即席麺などが中心だったという。次いで、「調味料」が2537品目、「酒類・飲料」が1494品目となった。「パン」は978品目で、2025年に続き食パンや菓子パンなどで一斉値上げが実施される見込みとのことだ。
値上げ要因では、「原材料高」が97.7%で最も高かった。一方で、「包装・資材」は73.7%となり、5月末時点として初めて7割台に達したとのことだ。トレーや容器などナフサ由来の資材価格高騰を背景に、中東情勢が要因となった値上げは22.7%を占めた。
また、「物流費」は74.1%となり、中東情勢の悪化による原油高などの影響を背景に2026年で最も高い水準となった。「人件費」は54.7%、「エネルギー(ユーティリティコスト)」は53.0%だった。

帝国データバンクは、米国とイスラエルによるイランへの攻撃を受け、中東地域の地政学的リスクが急速に高まり、ホルムズ海峡の混乱が国内産業にも波及していると分析している。石油由来の樹脂素材の供給力低下やコスト上昇圧力が強まるなか、食品分野ではインクや食品フィルム、トレー類などで大幅な値上げや品薄状態が続いている。
こうした状況を背景に、商品パッケージの変更や一部商品の製造休止、商品点数の集約など、安定供給に向けた対応が進んでいるとのことだ。また、包装資材やエネルギー、物流費の上昇分を製品価格へ転嫁する動きも広がっているとしている。
帝国データバンクは、中東情勢悪化によるコスト高などを理由とした値上げが、年内約9000品目のうち2割超を占めており、今後さらに高まる可能性があると分析している。飲食料品では今夏以降も広範囲な値上げラッシュが続く見通しで、年間の値上げ品目数は5年連続で1万品目を突破し、2022年以降で最少だった2024年の1万2520品目を上回る可能性もあるとのことだ。
<参考>
帝国データバンク『「食品主要195社」価格改定動向調査』