自分だけの世界観を武器に、ワクワクを届け続ける|ウンパルンパのB面
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新世代のA(Action)面とB面(Business)に密着するインタビュー企画。第17回に登場するのは、OASIZに所属するウンパルンパさん。B面では、コント動画の投稿から始まり、現在は「日本で一番、サッカー日本代表を応援する人」として、サッカー日本代表や海外のスター選手らとのコラボレーションも実現しているウンパルンパさんのクリエイターとしての価値観に迫ります。
- 【ウンパルンパ】
- TikTokを中心に国内外でSNS総フォロワー300万人超を誇る人気クリエイター。学園ネタやサッカー部あるあるネタを中心に、独自のエンタメ企画と高い発信力で若年層から絶大な支持を集める。企業とのコラボレーション実績も多数あり、クリエイターとしての影響力をビジネス領域にも拡張してきた。
- YouTube: https://www.youtube.com/@unparunpatube8/
- Instagram: https://www.instagram.com/unparunpa.1028/
- X: https://x.com/unparunpayes
- TikTok: https://www.tiktok.com/@unparunpa1028
自分だけの武器で、自分にしか出せない世界観をつくる
―SNSアカウントのユーザー層を教えてください。
TikTokは10代~20代前半が7割、InstagramとYouTubeは20代~30代前半までが7割くらいで、男女比は男性7割、女性3割です。最初の1〜2年は視聴者の9割以上が男性だったのですが、いろいろなクリエイターとのコラボレーションを通じて、徐々に女性の視聴者も増えてきました。
―最初に投稿するプラットフォームとしてなぜTikTokを選んだのですか?
コント動画の投稿を始めようとした際に、親友からTikTokを勧められたことがきっかけです。僕自身、コント動画は長尺よりも短尺のイメージがありましたし、当時はYouTube ShortsもInstagramのリールもなかったんですよね。僕も、もともとTikTokユーザーで一番身近なSNSでしたし、人に届きやすい感覚がありました。
―アカウントを運営する上で最も重要だと考えていることは何ですか?
僕にしかできない面白いコンテンツをつくることです。TikTokに投稿する人やクリエイターが年々増え競争が激しくなっているため、本当に面白いコンテンツしか見られなくなってきていると感じています。だからこそ、自分にしか出せない世界観を出さなければ、人には見てもらえないだろうと思うんです。

―それを実現するための具体的な戦略は何ですか?
僕は身長が低いのですが、逆にそれが僕の武器だと考えています。ほかにも、いじられキャラであるがゆえの親しみやすさや、コント動画で誰かを演じてきた経験など、僕ならではの強みを活かせるように意識しています。
―今後どのようなアカウントにしたいと考えていますか?
今は「日本で一番、サッカー日本代表を応援する人」として活動を始めていて、サッカーを知らない人たちにその面白さを伝えていきたいと考えています。今年の4月からOASIZに所属し、そこでまずは6月に開催されるFIFAワールドカップに向けて、現地で日本代表を応援したり視察をしたりしながら、ワクワクするような動画をつくっています。現地のリアルな様子や熱狂を面白く伝え、たくさんの人に動画を見てもらいバズらせ、多くの人にサッカーの魅力を届けたいです。
また、今後は、自分のありのままの姿を見てもらえるようにしたいと考えています。長期的に活動を続けるためには、コンテンツの面白さだけでなく、自分自身の魅力も伝えることが必要だと思いますし、発信の幅も広げるためにも、サッカーを軸にしながらVlogなどの発信もしていきたいですね。
とにかく飽きさせない。“ずっと同じ”でいないための秘訣
―視聴者との繋がりを強化するために特に重視していることは何ですか?
視聴者からのコメントを細かく確認し、それをもとに新しい動画をつくったり、これまでとつくり方を変えてみたりと―いったサイクルをひたすら繰り返すことです。SNSでは相手の顔は見えないですし、直接話すこともできません。視聴者の反応や意見を知ることができる唯一の場所が、コメント欄なんです。だからこそすごく大切にしていて、コメント欄は隅々まで目を通して、「いいね」を付けたり、できる限り返信もするようにしています。
―エンゲージメントを高めるために行っている具体的な取り組みにはどのようなものがありますか?
常に興味を持ってもらえるよう、月に1回は視聴者が驚くようなことや新しいものを届けるようにしています。2025年は曲を出したり、スター選手に会いに行ったり、コラボを希望する声が多かったクリエイターとコラボしたりしました。それ以外にも、裁判所やコンビニ、レストランなど、場所を変えて撮影することもしています。
今はいろいろなプラットフォームが増えすぎて、視聴者が飽きるスピードが本当に早いんですよね。どんなに面白くても、ずっと同じコンテンツでは絶対に飽きられてしまうと思います。だからこそ、味変というか、たまに新しい風を吹かせることが、エンゲージメントを高めるうえでとても大切だと考えています。
トレンドに左右されず、常に面白いものをつくりたい
―コンテンツのネタを選ぶ際の基準は何ですか?
コント動画は、タイトルだけで「面白そう」と思ってもらえるかどうかですね。逆に、面白いと感じてもらえるようなタイトルができなければ撮影しないです。だから、撮影よりもその前にどんなネタにするか考える工程のほうが断然時間がかかるんですよ。
また、つくり手ではなく第三者の目線に立って、何も考えずに見た時に面白いと思えるかどうかも大事です。制作を続けているとどうしても感覚が麻痺してくるので、常に客観的な視点を意識しています。
―視聴者の関心やトレンドをどのように把握していますか?
TikTokでバズっているものは常にチェックしています。それ以外にも、世の中で話題になっている出来事にもアンテナを張るようにしています。例えば昨年は、全国高等学校サッカー選手権大会で話題になったプレーがあったので、それを動画に取り入れたこともありました。
ただ、トレンドや話題を取り入れた方が面白くなると思った場合は採用しますが、基本的にはトレンドに左右されないことを軸にしています。トレンドありきだと、そのトレンド自体のコンテンツ力が強くないとバズらないですから。話題がない時でも常に面白いものをつくれる状態でありたいので、トレンドに左右されない動画をつくることを意識しています。

―コンテンツ制作のアイデアを得るためにどのような活動をしていますか?
自分の動画と類似したエンタメ系の動画の中でも、バズっているものを見るようにしています。ただ、真似するわけではなく、ヒントを探しに行く感覚です。また、自分の過去の動画のコメント欄を見て、どんなところが面白いと思ってもらえたのかを振り返ったり、「このシチュエーションでこういうことが起きたら面白いよな」とひたすら想像したりもしています。
―投稿頻度について、ルールはありますか?
4〜5年前くらいまでは毎日投稿していたのですが、現在はフェーズが変わってきていると思っています。認知を取りに行く最初のフェーズでは投稿頻度が重要ですが、今はそこからもう一度ブームやバズを生み出すフェーズになってきているんです。そうなると、量よりも質にこだわるべきだと思うので、頻度にはあまりルールは設けていません。
自分の強みを生かして、サッカーの魅力を広げる
―コラボしたい、タイアップしたいブランドや企業はありますか?
やっぱりサッカーが大好きで、サッカーの応援に全力を注いでいるので、サッカーにまつわる仕事があれば、ぜひコラボさせていただきたいです。
―その理由を教えてください。
根底の部分で「日本代表を応援したい」という同じ気持ちがあると思うからです。僕は、自分を通じてサッカーを知らない人にその面白さを伝えることが、自分の役割だと考えています。
というのも、サッカー選手やサッカー関係者の投稿を見ているのは、すでにサッカーに興味がある人だと思うんですよね。でも、僕の視聴者にはサッカーに興味がない方がたくさんいます。そういう方たちがサッカーを好きになるきっかけをつくれることこそ、僕にしかできないことだと思うんです。だからこそ、同じ思いを持つ企業さんとコラボレーションして、より多くの人に動画を届けられたら嬉しいですね。
―コラボ先の企業、サービスを選ぶ際の基準は何ですか?
面白い、ワクワクすると思える動画がつくれるかどうかです。今は視聴者も敏感で、案件というだけで見なかったり、案件をやりすぎるとイメージが悪くなったりすることもあります。そのため、一つの動画として面白いものをつくれるかどうかを重視しています。また、そのために、僕がいいと思うものを比較的自由につくらせてもらえるかどうかも、一つの基準になっています。

―過去のコラボレーションで特に成功したと感じるプロジェクトはありますか?
UEFAチャンピオンズリーグの時の、WOWOWさんとのコラボレーションです。
―その成功の秘訣は何だと思いますか?
僕自身、ずっとサッカーをやってきましたし、サッカーのコンテンツもつくっているので、そもそもの相性が良かったことは大きかったです。そのうえで、WOWOWさんだからこそ持つコネクションを通じて海外のスター選手とも話すことができ、その動画がバズって、たくさんの方に届きました。「これぞ最高のPR動画だ」といったコメントもたくさんいただきました。お互いの強みがうまく重なり、案件だけど“案件らしさ”を感じさせない、ワクワクするような動画がつくれたコラボレーションだったと思います。
良いコンテンツは絶対バズる。TikTokのトップへ
―今後どんなことに取り組みたいと考えていますか?
これからは、いろいろな実験をしていきたいと考えています。失敗は当たり前だと思っているので、「挑戦」というよりも「実験」という感覚ですね。
今までコントをやってきた人が、いきなり新しいことをしたとしても、本当に良いコンテンツだったら絶対にバズるし、逆にバズらなかったら良いコンテンツではないという確信があります。だからこそ言い訳はせずに、実験だと捉えて、いろいろなことを試していきたいです。
また、視聴者から「ウンパルンパはどこまで行くんだ?」と思ってもらえるようなこともしていきたいですね。3年ほど前、世界的スターのネイマール選手とコラボ動画を撮らせていただいたのですが、何者でもない一般人がそこまでたどり着いた姿を見せること自体が、誰かに少しでも希望を与えられたのではないかと思うんです。OASIZに所属を決意したのも、もっと自分の可能性を広げていきたいと思っていて、新しいことができると思ったからです。なので、これからも挑戦する姿をどんどん見せていきたいです。
―それらを通じて、どんなことを達成したいですか?
日本のトップYouTuberといえばHIKAKINさんだと思いますが、「TikTokerといえばウンパルンパ」と言われるような存在になりたいですね。逆に、それ以外は具体的な目標はあえて決めないようにしています。5年前も「5年後にこうなりたい」と明確に思い描いて活動してきたわけではなくて、毎日目の前のことを頑張ってきた結果として今があるので。人生設計も大切ですが、毎日頑張っていれば、きっといろいろなものが転がってくるんじゃないかと思っています。

「そんなに深く考えているわけじゃないですけど」と話すウンパルンパさん。しかし、その都度最善を考え、何度も試行錯誤を繰り返してきたからこそ、200万人ものフォロワーから支持されているのだろう。その思考と行動のサイクルによってコンテンツを磨き続け、多くの人の心をつかんできたのだ。“コント動画の人”から、“サッカーを広める人”へ。次のフェーズに踏み出し、ますます広がる活躍が楽しみだ。
文:安藤 ショウカ
写真:小笠原 大介