ALL DIFFERENT(オールディファレント)およびラーニングイノベーション総合研究所(R)は、社会人1~4年目の若手社員1,793人に対し「若手社員の成長実感やキャリア志向についての意識調査」を実施し、結果を公表した。

■任される仕事が自分の成長につながっている実感、社会人1年目は64.8% 社会人4年目は半数以下

「今任されている仕事は、自身の成長につながっていると感じるか」という質問に対して、社会人1年目社員は「感じる」と回答した割合が27.2%となり、「やや感じる」を含めると、64.8%が成長につながっていると回答した。

一方、社会人4年目社員は「感じる」「やや感じる」の合計は48.5%で、社会人1年目社員に比べて16.3ポイント低くなる結果に。

「感じる」「やや感じる」を含めた割合は、社会人2年目社員が57.3%、社会人3年目社員は56.4%で、社会人歴が上がるにつれて成長実感が低下する傾向が見られた。

今任されている仕事は、自身の成長につながっていると感じるか

■新しい業務を任される実感、社会人1年目は63.9%も、社会人歴が長くなるにつれて低下傾向

「同じ内容の業務ばかりでなく、スキルや経験に応じて新たな業務を任されているか」という質問に対し、「はい」「どちらかといえばはい」と回答した割合は、社会人1年目社員は63.9%、社会人2年目社員は56.6%、社会人3年目社員は55.8%、社会人4年目社員は51.1%だった。

社会人歴が長くなるにつれて、新しい業務に挑戦する機会が減る傾向となっている。

同じ内容の業務ばかりでなく、スキルや経験に応じて新たな業務を任されているか

■業務につながる知識・スキルの強化に取り組む4年目社員は46.3%で、1年目より14ポイント低下

「自身の業務につながる知識・スキルを強化する努力をしているか」という質問に対し、「している」「ややしている」と答えた割合は、社会人1年目社員は60.3%の一方、社会人2年目社員は49.9%、社会人3年目社員は51.8%、社会人4年目社員は46.3%だった。

知識・スキル強化をしている社会人4年目社員の割合は、社会人1年目社員に比べて14.0ポイント低く、業務につながる知識・スキルの強化は社会人1年目社員が最も努力しているという結果となっている。

自身の業務につながる知識・スキルを強化する努力をしているか

■将来のキャリア志向、「未定」「志向なし」の回答割合、社会人4年目が最も高く約半数

「将来会社でどのような役割を担いたいか」という質問に対する回答を、社会人歴ごとに集計したところ、社会人1年目社員と社会人3年目社員では「スペシャリストとして専門領域を極めたい(専門職)」がトップとなった。

また、社会人2年目社員と社会人4年目社員は「特にキャリアについての志向はない」の回答割合が最も高くなっている。

一方で、「マネジメントを行い、チームを統率したい(管理職)」と回答した社会人1年目社員は12.5%で、社会人2年目以降はいずれも1割を割り込んだ。

「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」「特にキャリアについての志向はない」の回答割合は、どちらも社会人4年目社員が最も高くなり、その合計は48.7%となっている。

将来会社でどのような役割を担いたいか

■上司からのキャリア形成支援がある若手社員ほど、管理職・専門職を目指す割合が高い

「上司は、あなたのキャリアの希望や今後の成長について、相談に乗ったり、アドバイスをくれたりしているか」と質問し、キャリア志向との関係を分析。

その結果、「マネジメントを行い、チームを統率したい(管理職)」「スペシャリストとして専門領域を極めたい(専門職)」とも、「はい」と回答した若手に占める割合が最も高く、それぞれ23.2%、33.4%となった。

管理職志向と専門職志向の回答割合は、上司からのサポートの度合いによって高まり、上司からのサポートの度合いが低くなるほど、未定・キャリア志向なしの割合が高まる結果に。

上司は、あなたのキャリアの希望や今後の成長について、
相談に乗ったり、アドバイスをくれたりしているか

■会社のキャリア形成支援、適切だと「感じる」割合は年数が上がるにつれて低下傾向

続いて、「今の会社は、社員のキャリア形成や成長に対して、適切な支援を行っていると感じるか」と質問。

その回答を社会人歴別に比較したところ、会社からの支援が適切だと「感じる」回答割合は、社会人歴が上がるにつれて低下傾向が見られ、社会人1年目社員では21.5%となった一方、社会人4年目社員では1割を切った。

今の会社は、社員のキャリア形成や成長に対して、適切な支援を行っていると感じるか

■会社からの適切なキャリア形成支援、「感じる」若手社員の勤続意向割合は「感じない」の6倍以上

さらに、会社からのキャリア形成支援の有無と勤続意向の関係性について調べるため、勤続意向に関して「勤務先企業で働き続けたいと思うか」を質問。

その結果、会社からの適切なキャリア支援を「感じる」と答えた若手社員は、勤務先企業で働き続けたいと「思う」と回答した割合が59.7%、「どちらかといえば思う」が27.9%で、計87.6%が働き続けたい意向を示した。

一方、会社からの適切な支援を「感じない」と答えた若手社員は、勤務先企業で働き続けたいと「思わない」が57.2%、「どちらかといえば思わない」が27.8%と将来的な離職リスクが高いことがわかった。

勤務先企業で働き続けたいと思うか

<参考>
ラーニングイノベーション総合研究所「ファーストキャリア調査 成長実感・キャリア志向編)