モビルスは、横浜銀行がローンに関する5つの証明書の発行申請を、電話で自動受付する新サービスを開始し、その受付業務にモビルスの生成AIを活用した「AIエージェント型ボイスボット」を導入したと発表した。

生成AIを活用したAIエージェント型ボイスボットの導入は、地方銀行として初の事例となる。

横浜銀行、「AIエージェント型ボイスボット」を導入

同機能は、生成AIを活用し、人が応対しているかのような自然な対話を実現するボイスボット。従来の自動応答では難しかった曖昧な依頼にも対応し、意図をくみ取りながら必要な情報を深掘りして正確に特定するという。顧客の話し方や状況に応じて柔軟に会話を展開し、受付手続きを完了させるとのことだ。

従来のボイスボットとAIエージェント型ボイスボットの違い

具体的には、証明書名や店舗名が不明確な回答であっても、登録情報や既存データを参照し、高精度で候補を提示。また、音声中の雑音にも柔軟に対応しながら、回答が不完全な場合には自然に問い返しを行い、必要な情報を聞き取って申請受付を完了させるという。

これにより、顧客は人が応対しているかのようなストレスの少ないスムーズな応対を体験できるほか、オペレーター側では折り返し確認や情報修正などの手間を削減し、業務効率の向上が期待される。

AIエージェント型ボイスボットの聞き取りイメージ

同機能は、ボイスボット「MOBI VOICE」のオプション機能として提供されるもので、「AIエージェント型ボイスボット」の利用には「MOBI VOICE」のビジネスプラン以上の生成AIオプション(有償)契約が必要となる。

横浜銀行は、同機能の活用により証明書発行における電話での応対時間を5割削減することで、顧客満足度の向上とコスト削減を目指すという。さらに今後は、24時間365日対応の実現や、他の業務への展開も視野に入れ、さらなる利便性向上を図るとのことだ。

■AIエージェント型ボイスボットでの各種証明書の発行受付の流れ

1.顧客が横浜銀行の問い合わせ窓口へ電話し、ガイダンスに従って証明書の発行を選択
2.AIエージェント型ボイスボットが自動で受付を開始
3.顧客が取引店舗名や発行を希望する証明書など必要情報を回答
4.顧客が言い間違いや曖昧な回答をしても、AIエージェントが登録された店舗情報や既存情報から自動で参照・推測し、高い精度で候補となる回答を提示
5.顧客の回答が不完全だった場合は、自然な問い返しを行い、正確な情報を取得し発行申請の受付を完了(追加質問が必要な場合は、オペレーターが折り返し電話で確認)
6.本部担当者が問い合わせ内容を確認し、証明書を発行