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Thinkingsは、社内におけるキャリア開拓や社内公募の取り組み、それらの課題を把握するために、ビジネスパーソン1,069名(全国の従業員1,000名以上の企業の一般職)へのアンケート調査を実施し、結果を公表した。
■「埋もれ人材」・「能力発揮人材」の「静かな退職」との関係
1.およそ4割が、能力が十分に発揮されていない「埋もれ人材」
「現在の部署の業務で、自分の能力が十分に活かされていると思うか(単一回答)」という質問に対し、「活かされている」は8.8%、「どちらかと言えば活かされている」は46.9%で、2つの合計は55.7%という結果に。どうっようさではこれを「能力発揮人材」としている。
また、「活かされていない」は17.6%、「どちらかといえば活かされていない」は26.7%で、2つの合計は44.3%。同調査ではこれを「埋もれ人材」とし、この結果から「埋もれ人材」は全体のおよそ4割存在することがわかった。

2.必要以上の努力や関与を極力避ける“静かな退職”予備軍の割合は全体の約4分の1
「業務に対する姿勢として当てはまるもの(単一回答)」を聞いたところ、「期待される以上の業務をこなそうとしている」は18.4%、「期待される業務をこなすことを第一に考え、余裕があればそれ以外の業務も対応しようとしている」は56.9%という結果に。
なお、「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力避けるようにしている」の24.6%を、同調査では「“静かな退職”予備群」と位置付け、“静かな退職”予備軍は全体の約4分の1にあたることが判明。

3.“静かな退職”予備軍の割合、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上多い
「業務に対する姿勢として当てはまるもの(単一回答)」について、「能力発揮人材」/「埋もれ人材」の結果を集計したところ、「期待される以上の業務をこなそうとしている」は、「能力発揮人材」は23.5%、「埋もれ人材」は12.2%で、「能力発揮人材」のおよそ半分という結果に。
また、「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力さけるようにしている」(“静かな退職”予備軍)は、「能力発揮人材」で12.3%、「埋もれ人材」で40.8%となり、“静かな退職”予備軍の割合が、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」の3倍以上となった。

■「社内公募制度」の実態
4.およそ4割が社内公募制度があると回答
「勤務先にはどのような制度・環境があるか(複数回答)」と、社内公募制度の有無の集計したところ、勤務先に社内公募制度があると答えた割合は43.4%と、およそ4割という結果に。
なお、選択肢には「社内公募制度(上司の承認は不要で自由に応募できるもの)」、「社内公募制度(上司の承認がなければ応募できないもの)」、「ジョブポスティング制度(部署側が希望する人材要件を社内に公開し、従業員が応募できる社内公募制度))の3種類があり、いずれかの回答の割合が43.4%となっている。

5.「埋もれ人材」の勤務先はキャリアなどに関する制度導入や環境整備が進んでいない
「勤務先にはどのような制度・環境があるか(複数回答)」という質問に対し、「能力発揮人材」/「埋もれ人材」の結果を集計したところ、「あてはまるものはない」を除くすべての選択肢において、「埋もれ人材」は「能力発揮人材」より回答が少ない結果に。
「埋もれ人材」の勤務先は「能力発揮人材」に比べてキャリアや働き方に関する制度導入や環境整備が進んでいない傾向がうかがえた。

6.社内公募に応募した人は全体の約2割、応募して異動した人は全体の約1割
「(対象:勤務先に社内公募制度がある)社内公募に応募したこと、それにより異動したことがあるか(単一回答)」と質問したところ、「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は11.1%、「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は9.2%という結果に。
つまり、社内公募に応募したことがある人は全体の約2割で、それにより異動できた人は全体の約1割ということがわかった。

7.社内公募で異動した人には「会社への満足度が上がる」などのポジティブな変化あり
「(対象:社内公募に応募して異動できた人)社内公募による異動をして変わったこと(複数回答)」について質問したところ、具体的な回答で最も多いのは「会社への満足度が上がった」で40.0%。
次いで2番目は「やりたかった仕事ができるようになった」37.5%、3番目は「能力を発揮できるようになった」25.0%と続いた。

■社内公募・異動への期待
8.社内公募により異動した人は「能力発揮人材」が「埋もれ人材」の約2.5倍多い
「(対象:勤務先に社内公募制度がある)あなたは、社内公募に応募したこと、それにより異動したことがあるか(単一回答)」という質問に対し、「能力発揮人材」/「埋もれ人材」の結果を集計。
その結果、「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は、「能力発揮人材」7.5%、「埋もれ人材」12.5%と、「埋もれ人材」の方が5.0ポイント(約1.6倍)多くなった。
また、「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人は、「能力発揮人材」15.0%、「埋もれ人材」5.9%と、「能力発揮人材」の方が9.1ポイント(約2.5倍)多い結果に。

9.「埋もれ人材」が社内公募に応募しなかった理由、最多は「希望するポジションの公募が無かった」45.9%
「(対象:社内公募に応募したことがない人)社内公募に応募しなかった理由(複数回答)」を「能力発揮人材」/「埋もれ人材」で集計したところ、「能力発揮人材」が多いのは「今の部署・仕事に満足しているため」で49.4%となり、「埋もれ人材」の9.0%より40.4ポイント多くなった。
また、「埋もれ人材」はそれ以外のほとんどの項目で多く、最も回答が多いのは「希望するポジションの公募がなかったため」の45.9%。2番目は「応募できる条件に当てはまらなかったため」の27.9%で、3番目は「社内公募に応募すると上司や職場から悪く思われる懸念があるため」の18.9%と続く。

10.およそ半数は、今後希望するポジションの社内公募があれば応募意向がある
「今後、希望するポジションの社内公募があれば、応募したいと思うか(勤務先に社内公募制度がない場合は、制度があると仮定して回答)」と質問。
その結果、「応募したい」は17.1%、「どちらかと言えば応募したい」は32.7%で合計で49.8%となり、およそ半数は今後、「希望するポジションの社内公募があれば応募したい」と考えていることがわかった。

【調査概要】
調査名称:社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査
調査実施主体:Thinkings
調査対象者:調査会社のモニター登録者
ビジネスパーソン1,069名(全国の従業員1,000名以上の企業に勤務する一般職)
調査期間:2025年9月3日~9月5日
<参考>
Thinkings『社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査』
