大和ハウス工業は、埼玉県加須市「加須川口工業団地」内で大型マルチテナント型物流施設「DPL加須」を着工した。なお、同社が埼玉県内で開発した物流施設としては59棟目になるという(2025年7月31日時点、施工中含む)。

「DPL加須」イメージパース

「DPL加須」は、東京都心から約50キロメートル圏に位置し、東北自動車道および首都圏中央連絡自動車道(圏央道)へのアクセス性を強みとする立地で、加須インターチェンジから約3.7キロメートルにある。久喜白岡ジャンクション経由で圏央道を利用することで、都心部から約60分でアクセスできるとしている。主要動線の道路幅は概ね10メートル以上(一部9メートル)で、トラック動線の良好さも特徴という。

位置図

施設計画では、各階に直接アクセスできるダブルランプウェイを採用し、1フロアあたり約40台分のトラックバースを備える。これにより構内の混雑や接触リスクを低減し、効率的なオペレーションを可能にするという。各階には事務所設置にも対応し、テナントの多様なニーズに応えるとしている。

テナント従業員の就労環境整備として、従業員専用の保育施設や、1階に138席・約270平方メートルのラウンジ、トラックドライバー向け休憩室を設ける。さらに、普通乗用車285台分の駐車場と107台分の駐輪場を整備し、車通勤も想定した計画とのことだ。

環境面では、屋上に太陽光発電システムを設置し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で5つ星の取得と、Nearly ZEB以上の基準達成を目指す。全館LED照明や全熱交換器、節水器具・加温自動水栓の採用などにより、エネルギー消費量削減と環境負荷低減を図るとしている。

リスク対応としては、敷地内に第4類(引火性液体)に対応した危険物倉庫(延床649平方メートル)を併設し、最大で指定数量の960倍まで安全に貯蔵可能な設計としたという。多様な業種のニーズに応える柔軟性と付加価値の提供を意図しているとのことだ。

■建物・計画概要

名称:DPL加須
所在地:埼玉県加須市川口4-13
交通:東北自動車道「加須IC」から約3.7km、東武伊勢崎線「鷺宮駅」から約2.2km
用途:マルチテナント型物流施設(最大入居10社、1区画約6,000平方メートル〜)
規模・構造:地上5階、RC造+S造(危険物倉庫はS造)、耐震構造
面積等:敷地51,095.57平方メートル/延床121,135.75平方メートル/賃貸99,203.90平方メートル