INDEX
PR TIMESは、2025年1月1日から5月31日までに配信されたプレスリリース17万6625件を対象に分析を行い、業界動向やトレンドキーワードのランキングを含む調査結果を発表した。
同社が提供するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」では、発表企業が関連するキーワードを最大10個まで登録できる機能を備えており、今回の分析では登録された27万2895種のキーワードをもとに集計が行われたという。
AI関連キーワードが急増。生成AIに続き「AIエージェント」が台頭
2025年上半期の急上昇キーワードランキングでは、1位「AI」(+2531件)、2位「生成AI」(+1575件)、3位「AIエージェント」(+860件)と、上位3つをAI関連キーワードが占めた。特に「AIエージェント」は前年比87倍(2024年:10件→2025年:870件)と著しい伸びを示している。

AIの活用は、実証・実装フェーズを経て、2025年には実業務での“行動型”への移行が進んでいる。AIエージェントに関するリリースでは、業務支援、カスタマーサポート、教育分野への活用例が多く見られ、企業の事業変革を担う存在として注目されているという。
なお、「AI」は上半期総合ランキングで7261件(前年比+53.5%)で2位、「生成AI」は4022件(前年比+64.4%)で8位だった。

また、月間ランキングでは5月に「AI」が「イベント」を上回り、キーワードとして初の月間1位となった。

人的資本に注目。「研修」や「人材育成」キーワードが増加傾向
「研修」は前年同期比で1.6倍(2024年:482件→2025年:799件)に増加し、「人材育成」「組織開発」といった人的資本に関するキーワードも増加傾向にある。企業の人手不足対策や人的資本開示の義務化が背景にあり、採用強化や離職防止の一環として情報発信が行われているとのことだ。

また、入社式に関するリリースも増加しており、2025年は過去最多の156件(前年比+22.8%)となった。こうした傾向は、採用広報や企業文化の発信強化が進んでいることを示しているとされる。
「業務効率化」も2024年:1271件から2025年:2069件と1.6倍超に増加しており、「DX」の発表件数も2023年:6087件、2024年:5843件、2025年:6367件と回復傾向にある。
「新店舗」発信が前年比約2.1倍。海外展開も増加
2025年上半期に「新店舗」キーワードが付されたプレスリリースは1005件で、前年の471件から約2.1倍に増加した。出店地域は、東京都(1.8倍)、大阪府(2.4倍)に加えて、宮城県(7.5倍:2024年4件→2025年30件)、広島県(+22件)など地方都市も目立った。

出店形態としては“体験型”“専門特化型”などの新業態が多く、顧客体験価値の向上や施設連携を意識した施策が見られた。海外出店も前年の10件から30件に増加しており、中国、東南アジア、台湾、韓国を中心に飲食やライフスタイル、エンタメ業種での出店が進んでいる。政府による海外展開支援施策も背景にあるとのことだ。
「老舗」や「アクセシビリティ」も増加。「老舗」の挑戦が情報発信に
「老舗」は2024年:59件から2025年:122件と約2.1倍に増加。新商品や新サービスの発表を行う“老舗事業者”が増加し、2025年には73社が発信しているという。関連ワードの「伝統工芸」も2024年:158件から2025年:273件と増加した。
また、「アクセシビリティ」は2024年:47件から2025年:114件と約2.4倍となり、既存製品の機能改善などの際に同キーワードを含む発信が増えている。社会的包摂性を重視した企業姿勢が発信に現れていると考えられる。

【調査概要】
発表者:PR TIMES
調査対象:2025年1月1日〜2025年5月31日に配信されたプレスリリース17万6625件
集計対象キーワード総数:27万2895種
発表内容:2025年上期キーワードランキング、急上昇ワード分析、発信動向等
<参考>
出典:PR TIMES『2025年上期プレスリリース動向』