JOGMECは、CCSの普及と拡大に向け、「LCO2船舶輸送バリューチェーン共通化協議会」を設置し、CO2の船舶輸送における仕様共通化を目指して2024年度にガイドラインを策定し、交付を開始したと発表した。

CCS（二酸化炭素回収・貯留）を社会実装させる上で、排出源から貯留適地まで大容量のCO2を船舶で長距離輸送することが不可欠だが、大容量の液化CO2（Liquified Carbon Dioxide：以下、LCO2）を輸送できる船舶輸送技術は確立しておらず、各CCS事業で個別に仕様が検討されているのが現状だという。

また、CO2の船舶輸送は、そのバリューチェーンに複数工程（液化、一時貯蔵、荷役等）が発生するため、それぞれの要素の接続を含め一連のフローとして検討することが必要とのことだ。

JOGMECは、CCS事業の普及と拡大に向けた支援を目的とに、経済産業省協力のもと同協議会を設置。CO2の船舶輸送における仕様共通化および、それに伴う輸送コストの低減を目指しているという。

今回同社は、同協議会の成果として先進的CCS支援事業で活用されるとともに、将来CO2の船舶輸送を行うCCS事業を検討する際に参考となるよう、2024年度にガイドライン（初版）を策定し、交付を開始。

今後、実効性の更なる確保に向けて、同ガイドラインの更新を検討していく予定とのことだ。

■概要

●LCO2船舶輸送バリューチェーン共通化協議会（2025年3月時点）
座長：尾崎雅彦（東京大学名誉教授）
参加事業者：32社・団体
オブザーバー：5団体

●協議会で扱う検討範囲

1）排出（Emission）、（2）分離回収（Capture）、（3）液化／一時貯蔵（Liquefaction／Temporary Storage）、（4）液化CO2船舶輸送（Transportation）、（5）一時貯蔵（Temporary Storage）、（6）圧入／貯留（Injection／Storage）のうち、（3）から（5）までが検討範囲