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ワーク・ライフバランスは、2025年1月に「第6回働き方改革に関するアンケート」を実施し、結果を公表した。
1.「この先の人生、日常的により長い時間働きたいとしたらその理由は何か」という問いに、最も多かったのは「もっと長い時間働きたいと思ったことはない」
「この先の人生、日常的により長い時間働きたいとしたらその理由は何か」という問いに対しては、「もっと長い時間働きたいと思ったことはない」と回答した人が31.6%と最も多い結果となった。
「残業したい」「長時間働きたいという希望があると聞いている」といった声が耳に入りやすいなかで、実際には今よりも長い時間で日常的に働くことを希望する人は少ないことが明らかに。
このことから同社は、長時間労働を前提とするのではなく、仕事と私生活の両立を実現するため、仕事の進め方をさらに工夫する必要があるとしている。

2.「もっと長い時間働きたい」と感じたことがある人の理由の第1位は「より残業代を稼ぎたいため」。「業務が楽しいため」と答えた人は7.3%にとどまり、企業経営にとって前向きな理由で長時間働くことを希望する人は極端に少ない結果に
長い時間働くことを希望する人の理由は、「より残業代を稼ぎたいため」が第1位(41.3%)、その後「新しい知識や技術を学び成長・キャリアアップしたいため」(25.3%)と続き、「業務が楽しいため」と答えた人は7.3%にとどまった。
自己研鑽やキャリアアップ(25.3%)といった企業経営にとって前向きな理由で長時間働くことを希望する人よりも、残業代を稼ぐこと(41.3%)が目的である人が多い結果となっている。
このことから同社は、企業経営において長時間労働は、成長やキャリアアップといった効果よりも、残業代や光熱費のコスト増、メンタルヘルス疾患のリスク増などのリスクが高く、安易な残業は有効な経営戦略とは言えない可能性が示唆されたとしている。

3.「長期的な残業を希望していないが短期的に残業せざるをえない人」の割合は42.7%、キャリアアップや業務の楽しさなどポジティブな残業理由の人の割合は少なめ
「長期的な残業を希望していないが短期的に残業せざるをえない人」の割合は42.7%で、残業理由は「業務の積み残し」(16.9%)、「残業代を稼ぐため」(9.4%)と続いた。他方、「キャリアアップ」(2.0%)や「業務の楽しさ」(2.0%)などポジティブな残業理由の人の割合は少ない結果に。
本来は残業を希望していないものの、やむを得ず「受け身の残業」をしている状況がうかがえる。

4.会社から労働時間の削減を求められた場合、若い世代は自己研鑽(社外)を通じて成長しようとする傾向が強く、ベテラン層は業務時間内での業務効率化(社内)を重視する傾向に
「今後、労働時間削減を求められた場合」の問いに対し、「私生活の時間で自己研鑽を行う」と答えた人が31.2%と最多で、「限られた時間内で効率よく成長を目指す」が27.7%と続いた。

年代別では、20代は「私生活の時間で自己研鑽」が42.9%と高く、50代は「限られた時間内で効率よく成長」が40.0%と最も多く、世代間で成長方法に違いが見られる結果に。
また、全世代で約18.5%が「長時間労働以外の成長方法がわからない」と回答しており、模索する姿も浮かび上がった。

この結果から、自己成長やキャリアアップに対する考え方や働き方のニーズが世代によって多様化していると同社は推測。世代間の違いが対立ではなく相互理解につながるよう、企業の働きかけが重要だとしている。
さらに、長時間労働に依存してきた企業では、「成長=残業」という固定観念が根付いている可能性があり、長時間労働に頼らない働き方や多様な人同士がチームになって働くために必要なスキルの獲得を後押しすることが急がれると考察している。
【調査概要】
調査名:ワーク・ライフバランス/第6回働き方改革に関する実態調査(2024年度)
調査対象:インターネットリサーチモニター
・年齢:20歳~59歳
・性別:男女
・居住地:全国
調査期間:
・事前調査/2025年1月24日~1月3日
・本調査/2025年2月7日~2月10日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:有効回答数:事前調査6,613件、同調査1,109件
※回答率(%)は小数点第1位を四捨五入して表示しており、合計数値は必ずしも100%とはならない場合あり。
<参考>
ワーク・ライフバランス『第6回働き方改革に関する実態調査(2024年度)』