マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、800名の子育て中の正社員を対象に「育児離職と育休の男女差実態調査(2025)」を実施し、その結果を公表した。

■子育て中の正社員のうち、育児の影響により退職または退職を検討した人は35.0%

子育て中の正社員のうち、育児との兼ね合いで退職を経験、あるいは退職を検討したことがある人は35.0%にのぼった。

育児との兼ね合いで退職を経験、あるいは退職を検討したことがあるか

そのうち育休経験がある女性は41.3%、男性も33.3%にのぼり、3人に1人が育児との兼ね合いで退職を経験、あるいは退職を検討したことが分かった。男女問わず、子育てと仕事の両立の難しさが浮き彫りとなった。

育児との兼ね合いで退職を経験、あるいは退職を検討したことがあるか

■子どもの保育園入園後も正社員として働きたい女性は約9割

子育て中の理想の働き方について聞くと、約9割の女性は子どもの年齢にかかわらず正社員として働くことを望んでいることが分かった。

子育て中の理想の働き方

理想の働き方を実現するために必要な条件としては、男女ともに「土日休み」や「残業の少なさ」が上位に。また、「妻(夫)の家事・育児への協力」は男女とも4位にランクインしたが、男女間で10ポイント以上の差があり、意識の違いがうかがえる。

女性からは「立地の良い保育園・学童の存在」など、周囲の支援環境の重要性を挙げる声も多く、理想の働き方を実現するには多様な条件が必要であることがわかった。

理想の働き方を実現するために必要なもの

■育休取得で不安なこと1位は「収入減少」。女性は「社会とのつながり喪失」や「キャリアへの影響」も懸念

育児休業の取得にあたって最も不安だったことは、男女ともに「収入減少」が最多だった。2位以下では、男性は「特にない」とする回答が多かった一方、女性は「社会とのつながりが減ること」や「仕事の空白期間ができること」への不安が目立ち、男女で感じる不安に差が見られた。

育児休業にあたって不安だったこと

また、女性は育休取得平均日数が1年以上の長期にわたるケースが多く、長期の育休後も正社員としてのキャリア継続意向が高いことが分かった。これにより、女性は子どもや家族のために一度仕事を離れても、いずれは正社員として社会復帰し、再び社会と関わりを持ちたいと考えていることが明らかになった。

育休取得日数

■自身の育休への満足度は男女とも70点前後。満足の理由は「大変な子育てを共に乗り越えられたこと」

自身の育休への満足度について100点満点で聞くと、男女ともに70点前後という結果に。また、パートナーに対する満足度についても70点前後であったが、男性は自身の育休への満足度より妻に対しての満足度を高く評価している一方で、女性は夫に対しての満足度をやや低く評価している傾向がみられた。

育休への満足度

育休に満足した理由では、「子どもの成長を間近で感じられた」「家族で協力して育児に向き合えた」という回答があがった。目の前の子育てだけでなく、今後十数年続く子育てを夫婦で一緒に乗り越えていけるという信頼感や安心感を得られたという声も寄せられた。

一方、不満足とした理由では、育休期間の短さや、育休への不安に関する質問でも回答のあった「収入減少」「孤独感」などの意見があがった。特に女性からは「夫にもっと主体的に育児に参加してほしい」など、育児への温度差を感じている回答もみられた。

育休への満足度

【調査概要】
調査期間:2025年2月14日~2月17日
調査方法:WEB調査を実施
調査対象:20~40代の小学生未満の子ありの正社員・公務員
有効回答数:800名(内訳:育休経験者600名・育休未経験者200名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある。

<参考>マイナビ『育児離職と育休の男女差実態調査(2025)