INDEX
ソニー生命保険は、全国1,400人規模の調査「生きがい実態調査」を実施し、結果を公表した。
1.10代〜70代男女1,400人の生きがい実態
●生きがいは大切だと思う一方、生きがいが「ある」と実感している人は約6割にとどまる
まず、生きがいを感じる瞬間は人生において大切かと聞くと、「そう思う」59.9%、「ややそう思う」33.4%と合計で全体の93.3%が生きがいは大切だと回答。

一方、生きがいを感じる瞬間があるかと聞くと、61.1%は「ある」と答えたものの、16.8%は「ない」、22.1%は「わからない」と答えている。
男女別では大きな差は見られないものの、年代別に見ると10代は74.0%が生きがいが「ある」のに対し、40代は51.5%と半数しかみられなかった。

生きがいを感じる瞬間は、人生において大切だとほとんどの人が認識しているのに、実際に生きがいが「ある」と実感している人は約6割(61.1%)にとどまり、残りの約4割(38.9%)は生きがいを実感できていないようだと同社は考察している。
2.生きがいが「ある」人が感じている生きがいとは
●生きがいが「ある」人の生きがいTOP3、「美味しいものを食べる」「旅行」「温泉などのリラクゼーション」
生きがいを感じる瞬間があると答えた人(生きがいが「ある」人)855人に、生きがいを感じる瞬間を聞くと、「美味しいものを食べているとき」が最も多く47.4%。
次いで「旅行」46.0%、「温泉・銭湯・リラクゼーション・スパに行くとき」25.4%、「音楽を聴いているとき」23.5%、「パートナーと話すとき・連絡を取り合うとき」23.3%が上位になった。

●10代の約3人に1人(33.8%)が「SNS」に生きがいを感じている
男女別にみると、男性は「旅行」(40.1%)、女性は「美味しいものを食べているとき」(61.5%)が1位に。
また、2位以下の回答をみると、男性はパートナーとの関わりで生きがいを感じる瞬間がより上位にランクインしたのに対し、女性は推し活や子どもとの関わりで生きがいを感じる瞬間が上位にみられた。
また、年代別にみると、10代は「美味しいものを食べているとき」に次いで「推し活をしているとき」が高く、「SNS」と答えた人も3人に1人(33.8%)と多いが、他の世代では「美味しいものを食べているとき」と「旅行」が1位と2位を独占し、生きがいを感じる瞬間のツートップとなっている。

●生きがい平均個数は8.4個最もバリエーションが豊富なのは30代で平均9.6個
また、複数選択式で回答する「生きがいを感じる瞬間の回答個数」を集計したところ、その平均個数は8.4個で、生きがいが「ある」人は、生きがいを複数持っていることがうかがえた。

年代別にみると、最も多かったのは30代で平均9.6個で、生きがいのバリエーションが豊かな世代となっている。

●生きがい継続のコツは「無理をしない」
生きがいが「ある」と答えた人に、生きがいを感じるために継続していることを聞くと、「金銭的に無理をしない」(34.7%)、「体力的に無理をしない」(28.9%)、「睡眠をしっかりとる」(26.0%)が上位となった。

●生きがい活動費は年間約10万円、1回あたり約700円
金銭的に無理をしないことが生きがいを継続するコツとなっているが、実際に、生きがいのためにかけている費用を聞くと年間で平均107,289円、生きがい活動を行う回数は年間で平均153.5回という結果に。1年間で平均すると1週間に3回程度活動し、1回の費用は699円となった。
_.jpg)
●生きがいを感じる瞬間は、「日常の中でささやかな幸せや楽しみを感じたとき」
生きがいが「ある」と答えた人に、どんな瞬間に生きがいを感じるかを聞くと、「日常の中でささやかな幸せや楽しみを感じたとき」や「自分が特に好きだと思えることに、熱中しているとき」が高くなっている。
具体的に聞くと、「娘の成長を感じたとき」、「ペットの犬猫が、すやすや寝ているのをホッとしながら見ているとき」といった家族やペットとの他愛ない日常や、推し活、趣味など、さまざまな「生きがいを感じる瞬間」があげられた。

3.生きがいが「ない・わからない」人が見過ごしているかもしれない生きがい
●生きがいが「ない・わからない」人も、「身近な楽しみ」なら約8割が持っている
身近な小さな幸せとして、直近1か月以内に楽しみにしていることを聞くと、生きがいが「ある」人は92.6%、生きがいが「ない・わからない」と答えた人でも82.9%が身近な楽しみを持っていることが判明。

●生きがいが「ない・わからない」人の半数に“推し”がいる
自分が好きな人や物事のことを“推し”と呼び、それらを応援することが推し活で、その市場は急成長し世の中的にも注目されている。そこで、応援しているものや人がいるかと聞くと、生きがいが「ない・わからない」と答えた人でも50.6%と半数に“推し”がいるとわかった。
“推し”の内容を聞くと、「子ども」(17.4%)、「アイドル・タレント・俳優」(10.3%)、「スポーツ選手」(8.8%)が上位にあげられた。

●生きがいが「ない・わからない」人も8割以上が日常のささやかな幸せを実感
生きがいが「ある」人は日常の中でささやかな幸せや楽しみを感じたときに生きがいを感じているが、生きがいが「ない・わからない」と答えた人に、日常の中でささやかな幸せを感じるときを聞くと、「美味しいものを食べているとき」が35.8%最多に。
次いで「テレビ・映画鑑賞」22.0%、「旅行」18.7%などがあげられ、生きがいが「ない・わからない」人も81.7%がささやかな幸せを感じていることがわかった。
具体的に聞くと「部活が終わったあと、部室でみんなとダラダラ話しているとき」や「子どもと他愛もない話をしているとき」など、生きがいが「ある」人が「生きがいを感じる瞬間」と同様に、日常の何げない一コマが多数あげられたとのことだ。

4.生きがい実感と幸福度
●生きがいが「ある」人も「ない・わからない」人も、同様に約7割が「もっと生きがいがほしい」
ここまでの調査から、生きがいが「ない・わからない」と答えた人も、生きがいが「ある」と答えた人と同様、日常のささやかな幸せを感じていることが判明。つまり、生きがいがないのではなく、それが生きがいと気付いていないだけと同社は考察している。
全員に生きがいがもっとほしいかと聞くと、生きがいが「ある」人(「そう思う」30.3%、「ややそう思う」39.3%)も、「ない・わからない」人(「そう思う」25.9%、「ややそう思う」41.8%)も、同様に約7割が、生きがいがもっとほしいと回答。

●生きがいを認識できている人は、自分自身の幸福度が高いと自己評価
最後に、自分自身の幸福度を10点満点で自己採点してもらった結果を平均すると、全体は6.5点、生きがいが「ある」人は7.1点、生きがいが「ない・わからない」人は5.4点となり、日常のささやかな幸せに生きがいを見いだす人は、自身の幸福度が高いと評価しているという結果になった。
身近な幸せに気付き生きがいとして認識することが、自分自身の幸福度を高めることにつながりそうだと同社は考察している。

なお同社は、新プロジェクト「#生きがいってなんだろう」を開始。
同プロジェクトでは、利用者や社員から集めた「日常のささやかな生きがい」エピソードを広告として、5月19日から渋谷駅・新宿駅・原宿駅(東京都)などをはじめ、全国の駅や商業施設で掲出するとのことだ。
【調査概要】
調査対象:全国の10代~70代男女各100人計1,400人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年4月1日~4月4日
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合あり。
<参考>
ソニー生命保険『生きがい実態調査』